第8弾 おちる ▼時雨さま 落ちる、落ちる 暗くなる視界、溢れる泡沫 頬を掠めるユートピア 落ちる先のあなた この音は、恋に 滴り落ちる珈琲 いろはにほへとおって ちりぬるをちる エンドロールの下へ Sky fall Sea fall Love fall ▼梛さま ダークブルーのマーブリング 堕天使のように 自然の秩序に身を任せて 五月の葉桜 冷たいヒトの恋事情 波紋のように広がった おっと危ない らいとらいとらいと 浮遊感らびっと 困ったなこれじゃ残っちゃう ▼pandaさま この深淵が気になるかい 盲目を否定しなよ 暗澹のリックワンスリップス One step ahead… 僕はそこで待ってるよ 「ほら、覗いてごらん。」 ▼あどね裕さま 四次元よりの使者 偶像と愛国 まぶたの宇宙 届くことなく雨は消えて 神様の迷える指先 ▼影月さま 飛べる、なんて嘘つき 重力の女神よ 逆再生で救済 最期の抗い 溺れたのが悪かったね 消えたお別れ 夢も希望もないので 堕胎の涙 割れちゃった卵 林檎ヲ囓ルやうに 無効化な反駁 約六二〇年の慟哭 ▼笹倉さま ミルククラウン0.1秒 満月のプールなら壊れない 片道切符でさよなら カナリアだって籠の外 恋の仕方は知ってても、おまえとじゃ無理だ ▼azmaさま 貴方の瞳に吸い寄せられて シャープペンシル壊さぬように 費した時は戻らねど 交われなかった二直線 解決策は深淵に 黄色い線が剥げてるから 真白に揺蕩う真紅の花弁 御伽噺を聞きながら ▼れいさま 落ちた先で弾けたらいいのに 僕のおかしな話を知ってるかい? 茜色に霞む地平線 バックミラーと花束 敷き詰めたいのちに祈りを 憧憬はいつかの屋上にて きみに明日は要らない 添えた掌に何を与えるか 流れた雫のゆくえは知らずに ▼朔凪さま 君の瞳に星は映る あなたの顔だけが思い出せない 羽をもがれた天使 flying gone 最後は君の腕の中で抱きしめて 大きく産声をあげなさい 果てしなく透明に澄んだブルーを 夢だけをみていたかった さよならだけが聞こえない そしてアリスは何処へ行く? ← |