名前は承太郎を見かけるやいなや走り寄りズイッ!と顔を近付けた。
「…なんだ?」
「わ、ほんとに少し緑色なんだ」
「……目の事か?」
「うん。…キレイ、いいなあうらやましい」
名前の大きな黒い瞳にのぞき込まれたまま承太郎は動かずにいる。
…いや。もしかしたらどうしたらいいかわからず、動けずにいるのかもしれない。
「羨ましい?…そうか?」
「そりゃねー宝石みたいにキラキラしてるし」
「………………」
「あ。でも承太郎だからキレイなのか。」
「…いつもそーだが…オレを誉めちぎったってなんも出ねぇぜ」
「好きな人誉めて何が悪いのよ」
「…ちょいと 待て」
「ん?あ、近い?ごめんね」
「そこじゃねぇ、っつか今更か…。
で、今…なんつった?」
「好きな人誉めて何が悪いって言ったけど」
「…誰が 誰を 好き、だって?」
「私が。承太郎を。」
「初耳だ」
「言ってなかったっけ」
そこまで言って名前は、呆気にとられている承太郎の頬に両手を添える。
「私、承太郎のこと好きだよ。ちょっぴり緑の目も、含めて ね」
そして名前は走り去って行く。
さすがの承太郎もしばらく呆然としていたが我に帰った時には、自分の顔が熱い事に気が付いた。
ビリジアンの告白
(ジョセフさんから聞いたから確かめたかっただけなんだけど…いつのまに愛の告白になってたんだろ。ま、いっか)