ハロウィン。


其れはこの世界に一番似合う行事だと思う。







「お姉ちゃ〜ん!」


「あ、来たなチビッ子ども〜」


「トリックオアトリート!」
「とりとり!」
「お菓子くれなきゃイタズラするぞ!」
「あの………僕また頭が………」


チビッ子どもの掛け声は四者四様。まぁ何だか違うのも聞こえたような気もしないでもないが。
とりあえずは用意しておいた巨大菓子バケツをジェームスに手渡すとチビッ子どもの目は即座に輝く。


「はい、みんなで仲良く食べてね。」


「わあ、お姉ちゃんありがとう!」


「はいはい、マイサンは素直ね。」


「金欠なのにありがとう!」


「余計なお世話よルーレット小僧。」


「あれ?そういえばお姉ちゃんはやらないの?」


「え?私はそんな歳じゃないわよ〜」


「あ、シェフだ」


「!!どこ!」


シェフと聞いたら黙っていられない。
これはチビッ子に紛れてお菓子を貰うかイタズラするかのチャンス。

「………客か。」


「見て見てシェフのおじちゃーん、お姉ちゃんがくれたんだよ!」


「……良かったな。」


シェフに撫でられながら「言わないの?」と言わんばかりにチラチラとこちらを見てくるジェームス。
……女の子にはタイミングってものがあるの!


「……客は、やらないのか」


「ええっ!!?あ、いやあ、その………



………お、







おかしてくれなきゃいたずらするぞ?」













ああ言い間違い
(ま、ままま間違えたー!)(………それは、どういう)(ぎゃーっ違うのシェフ!誤解誤解〜!)