02 積み木くずし


 そろそろ暦の上では春といった季節の到来だが、未だ冬の厳しさの残るある日のことだった。義勇は昨日、ホテルへ行って散々、宇髄に責められそして憔悴してゆく身体を抱えながら体育の授業を済ませ、ドッと宛がわれている職員用の自分の机に突っ伏すと、やってきたのは強烈な眠気で、あっという間にそのまま眠ってしまい、暖房のよく効いた職員室の中、静かに寝息を立てていると突然だった。耳たぶが湿った何かに包まれ、ぬるりとしたその感触と快感に思わず「んあっ!」と声を出してしまい、慌てて顔を上げるとそこには宇髄が腰を曲げて義勇の顔を覗き込んでおり、薄く笑んでじっと見てくる。
「なに……するっ……!」
 慌てて舐められた耳を押さえつつ職員室を見渡すが、幸運なことに宇髄以外、誰の姿も無くホッとしているとずいっとさらに距離を詰められ、思わず後ろに下がるとさらに追ってきて至近距離まで顔を寄せられ、その紅色の瞳を見ていると、そこには見覚えのある色が拡がっていた。
「なあ……あのさ、今からエロいこと……したくねえ?」
「な、何を言ってるんだ!ここは学校だぞ!そんなこと、できるわけっ……!」
「できるんだよなあ、これが。いいから立てよ。今から行くところがある」
 腕を取られ、抵抗する義勇だがこうなってしまうと、最早、義勇の力ではどうすることもできなくなってしまう。自由人の宇髄らしい行動だが、またしても義勇は精神が摩耗するのを感じていた。
 一体、いつまでこうやって言いなりになって過ごせばいいのだろう。付き合うというのは、こういう無茶な言い分にも頷かなければならない関係を指すのだろうか。
 腕を引かれながら歩いて行き、宇髄の足が止まったのは職員用の男子トイレだった。
 一体、ここでなにをされるのか。まさか本番を要求されるのではないか。
 義勇は諦めの境地で、宇髄に手を引かれて一番奥の個室に連れ込まれ、扉は静かに閉められたのだった。

 宇髄は義勇を強引に便座に座らせ、両頬を大きな手で包まれたと思ったらずずいっと美麗な顔がドアップになり、それに驚く暇もなくむちゅうっと唇に宇髄の唇が押し当たり強く吸いつかれる。思わずいつもの癖で口を開けると、舌を柔らかく噛まれそして外に引きずり出されたと思ったらそのまま宇髄の舌が舌に絡みつき、吸いつきながら舐め回してくる。
 義勇もついには夢中になって宇髄の舌と自身の舌とを絡め合わせながら唾液を啜り、くちゅくちゅと水音を立てさせながら濃厚なキスに溺れる。
 すると、徐に宇髄の手が頬から離れていったと思ったら、そのまま上半身をまさぐりながら義勇の腰に巻かれているベルトに手が掛かり、カチャカチャといった金属音を立てさせながら解かれるのに、腰を捩っていやがるが、宇髄にとってそれは抵抗のうちにも入らないらしい。
 あっという間に下着共々、下半身を露出することになり半勃ちした義勇のペニスが震えながら次の刺激を待っている。
「んっんっ……」
 口づけは未だ解かれてはいなく、義勇のペニスに宇髄の手が掛かりゆっくりと上下に扱かれる。蕩けそうな快感を与えられたことで、敏感に反応した鈴口からカウパー液がこぷこぷと溢れ出てくるのが分かる。すぐに扱かれるたびにぐちゅぐちゅと音が立つようになり、身体を震わせながら快感に酔っていると、すっと宇髄の手が離れてゆき、不思議に思っているとカチャカチャといった金属音がまた聞こえ、薄目を開けて見てみると、宇髄は自ら自分で下半身を寛げ、義勇と同じく勃起したものが下着の中から飛び出てきて、戸惑っていると宇髄は義勇の手を誘導し、ペニスを握るよう強要してくる。
 仕方なく、義勇も宇髄のペニスをなるべく優しく痛くないよう扱き始めると、口づけの合間から「はあっ……」といった宇髄の色っぽい溜息が聞こえ、一気に身体が熱くなるのが分かった。
 唇が少しだけ離れ、荒い吐息を互いの唇に降りかけながら扱き合っていると、勝手に笑んでしまい、刺激に酔いながら挑発してみる。
「これがっ……お前のしたかった、ことか?」
「いいや?こんな生温いことじゃないね。つか、こんくらい勃起すりゃいいだろ。おい義勇、立ってドアに手ぇつけ」
 意味が分からないと思う。立って何ができるというのか。またしてもまごまごとしていると、宇髄はその様子に痺れを切らしたようで、義勇の腕を無理やり引き、便器から引き剥がしてドアに向かって立たされてしまう。

×
「#切ない」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -