01 積み木くずし


 愛情の、好き。
 抱きたいの、好き。
 はて。では、付き合いたいの好きとは一体なんなのだろう。
 休日は二人でめしを食べに行ったり、遊びに行ったり、互いの家を行き来したりするのが付き合っているのだとしたら、では義勇と宇髄は恋愛していると言えるのか。
 義勇が宇髄に告白されてから変わったのは、二人でめしを食べに行く回数が増えたことと、それに比例してその流れでホテルに詰める日数が増えたりしただけで、どこかへ遊びに行くわけでもなく、互いの家を行き来することもない。
 義勇が自宅へ誘っても、宇髄は何故か遠慮して上がろうとしないのだ。付き合う以前はホテルへは金曜日の夜しか行かなかったのだが、今では週に三回は晩めしを摂りホテルへ行って泊まるのではなく休憩で入って、セックスをして出て来て家まで送られてキスをして終わり。
 果たしてこれが付き合っているということなのなら、義勇の予想とはだいぶかけ離れていると思う。それよりもそもそも、互いの家を行き来する関係と宇髄は言ったが、未だ義勇は宇髄の家に行ったこともないし誘われたことすらない。
 告白された時に宇髄が義勇に向かって言ったことが実行されているのは、めしを食いに行く回数だけ。後は、セックスの回数が増えただけだ。たったそれだけ。
 そんな日々に、些か義勇は疲れていた。
 受け入れるのはいつだって義勇で、しかもナマの中出しを要求されているのでそれなりの準備も大変だ。ホテルに着けば、必ずナマでと言うのなら義勇の苦手なシャワー浣腸がついて回るし、そしてローションを仕込むことも強要され、どれだけそれが義勇の負担になっているのか。そのことが宇髄には分かってるのかいないのか。
 それとも、分かっていてもシャワー浣腸するのもローションを仕込むのも、自分ではなく他人事のように思っているからなのか。
 どちらにしても、最近の宇髄は目に余ると思う。好きだと言われたのも、告白の時のみ。義勇に言わせればセックスフレンドだった頃よりもひどい扱いだと思う。身体が本調子でない時もあるが、それでも宇髄はひたすらに義勇の身体を求めてきては無茶をして、笑って済ませている。セックスの内容に関してもそうだ。以前よりは多少扱いがマシになった程度で、特別優しくなったりすることもなく、宇髄の気分に合わせて以前と同じく気紛れに優しくされたり激しくされたり。振り回されてばかりだ。
 この関係を一体、なんと言うのだろう。愛しているという言葉で装飾された体のいいセックスフレンド、それが今の義勇の立場だ。どうしてもそう思ってしまうし感じてしまう。宇髄の行動の端々や、かけられる言葉でも付き合う以前と何ら変わらず、それどころか好きと言う言葉に任せて好き放題、義勇を翻弄してばかりでこれではまるでおもちゃだ。愛という言葉でつんだ積み木を、自らの手で義勇の前で崩しては笑う。
 積み木くずしの関係。

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