15 心臓に爆弾


「……幸せだなー……だってお前って、俺の恋人だしな!どこに出しても自慢できる俺の大切な恋人!」
「よく恥ずかしげもなく言えるな」
「オメーさっきからなんか辛辣だな。なんだよ、お前は幸せじゃねえのか」
 ちゅっとうなじにキスされ、ビグッと身体を跳ねさせた義勇は顔を真っ赤にし、頷く。
「し、幸せだ。すごく、幸せだとは思うけど……て、照れるんだ!照れない方がおかしい!俺には勿体無いくらいの人がその、俺の、恋人と思うと少し、気が引けるというか」
「馬鹿かお前。お前は、今まで精一杯頑張ってきたから、これからは俺が少しばかりだけど、お前の助けになりたい。楽しいこともたくさん、教えたいし美味いものも食って欲しい」
「宇髄……」
「さて、のぼせる前に出るか。っと、その前に……お前の好きなぎゅーっとな。ほら、ぎゅっだぞ」
「う、うん……ぎゅっとはして欲しい」
 すると、熱い腕が身体に巻き付き強く抱き寄せられる。その力強さに、義勇は幸福の笑みを浮かべた。それは、心からの満面の笑みだ。
 その後、風呂から上がった二人はテーブルセットに寄って買ってきた茶でも飲もうという話になったがその際、宇髄がまず座りその対面に座ろうとすると、宇髄が自分の膝の上を指さし「ここ、義勇はここ」と言われ、バスローブ姿で重なり合いながら椅子に座り夜景を眺めていた。
「……きれいだな、外。灯りがすごい……」
「なあ、義勇。ちょっといいか」
 返事をする前に、義勇は宇髄の怪力によってテーブルの上にちょんと座らされ、そのまま夜景を眺めていると後ろの方で布ずれがし、ガラスに宇髄の姿が映ったと思ったらくりっと身体の向きを変えられ、真正面には真剣な表情で義勇を見ている宇髄がいた。
「宇髄……?」
「さっき、風呂場ではああやって茶化して言ったけど……本当に分かってるのか、聞いておきたい。義勇、俺はお前と恋をしたいと思ってる。だから、付き合いたい。お前が好きと付き合っているのとは違うって言うのなら、擦り合わせたい。好きだから、付き合いたい。分かるか」
 じんわりと、目頭が熱くなる。そのうち、視界が悪くなりつうっと頬を熱い液体が流れた。
「分かってる……俺も、宇髄が好き。だから、付き合いたいと思ってる。俺は宇髄の一番になりたい。一番好きな人になって、傍にいたい。だから、付き合いたい」
 宇髄は返事をせず、握っていた右手から『KILLER T』ネックレスを取り出し、義勇の首に取り付ける。
「義勇、これは簡単には外すな。そういうもんじゃねえんだ。これには俺の、覚悟が詰まってる。お前を誰よりも幸せにするっていう、そういう覚悟。後は、誓いみたいなもんだ。頑張って生きてきたお前に、俺から誓いのご褒美。……幸せにする。義勇、愛してる」
「宇髄……うず、宇髄っ……!」
 涙が止まらない。この涙はまさしく、嬉し涙だ。そんな種類の涙など、流したことのない義勇は、初めは戸惑ったが、宇髄に頬を拭われたことで漸く、止まる。
「俺も……宇髄のこと、愛してる……誰よりも、なによりも好き。俺を、明るい世界に連れていって欲しい。お前のいる世界に、俺も行きたい」

 そっと、二つの影が濃厚に重なり合う。
 ちゃらりと義勇の首で銀色のネックレスが光を反射し、音を立てながら光をばら撒いた。
 あたかも、二人の未来を照らす光のように。

-39-

prevnext

×
「#甘々」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -