愛の言葉を
「琴音ー、好きだぜ!」
「はっ、浜野君恥ずかしいよ」
数日前から付き合い始めた浜野君は、最近ずっとこの調子で私に愛を紡ぐ。勿論、教室でも部活中でも気にせず引っ切りなしに。嬉しいとは思うが流石に場所は考えて欲しいものだ。
「俺は恥ずかしくないぞ?言わないと伝わらないだろ?ちゅうか恥ずかしがってる琴音も可愛い!好きだぜ!」
「っ…あぁ、もう!わかった!わかったから場所は考えてっ!」
彼は気持ちが伝わらないと言うが、私は彼に好きとか、愛してるとかは言わない。だけどね、彼の事は本当に好きだから、キスしたり、抱きついたり、手を繋ぐのも全て委ねて許すのだ。
「ちゅうかさ、琴音は俺に好きって言ってくれねぇよな」
「そりゃ、そうでしょ!はっ恥ずかしいもん!それに浜野君みたいに沢山言ったら、勿体ないでしょ」
「勿体ない?」
「有り難みとか貴重さが無くなっちゃう感じゃない」
彼はきょとんとしながら、私を見た。あれ、私、何か変な事でも言ってしまったのだろうか…。少しだけ焦る。だけどその焦りはすぐにどこかにいく嵌めになった。
「ははっ大丈夫、大丈夫!」
「何が大丈夫なのよ」
「有り難みなんていらないちゅう事だよ!俺には琴音がいてくれたらいいんだし」
彼はニッっと笑いながら私と顔を合わせた。そして優しく暖かい手で私の頭をグシャグシャっと撫でる。荒っぽいけど、それがなんだか気持ちよくて、目を閉じると、不意に唇に暖かいものが押し当てられた。それが彼の唇だということはすぐに気づいた私は、身を任せるため彼に抱きつく。
「琴音、大好きだ!」
また紡がれる、彼の愛の言葉が耳に心地良い。今日くらいは、素直になっても、いい…かな?
「私も、浜野君の事、大好きだよ」
嬉しそうに笑う彼は、また私に好きだと言うのだ。
【愛の言葉を】
貴方の為に囁きましょう
(恥ずかしいから)
(たまには、だけどね!)
END
初浜野君です!あれ、浜野君ってこんなんだったけ…?わからん!
アンケートで浜野君の名前が出ていたので書いてみました!どっどうでしょうか…(((´・д・`;)))
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