『ケ・イ・トォォォ!!!』 ケイト…本名はケットシー=リュパン。私が大好きで大好きで…もうケイト以外愛せないぐらい大好きな彼!今日も彼にアプローチ中! 『おはよっケイト』 「んあァ…あぁ」 めんどくさそうな顔しているケイト。本当…そんなとこも可愛いなぁ!おいぃっ! 『ねぇケイト、今日は一緒に行こう』 「今日はカンナちゃんと行くんだ!ついてくんじゃねぇ!」 『えぇ!たまにはいいじゃんか!』 「たまにはぁ!?いっつも勝手に着いてくんのは違うのかよ!」 カンナちゃんっていうのは私にとっても大事な私の友達。大人しくて可愛くて…誰からにでも愛されている。ケイトもカンナちゃんが大好きだ…。カンナちゃんはどうか知らないけどね 「はぁ…おい、行かねぇのかよォ」 『いっ行く!まっ待ってぇぇ』 でも、まっ!時々優しくしてくれる彼が大好きです 『えっへへ』 「気持ち悪りぃ…」 『ひっヒドッ!』 「あっ名前ちゃん」 私とケイトが話していると、後ろから聞き覚えのある可愛らしい声がした。 『あっ!カンナちゃんおはよっ』 「おはよう名前ちゃん。ケイト、おはよう」 「んあぁっ」 ケイトの顔が異様に赤い。そんな彼を見れば、やっぱり…好きなんだなぁ…なんて思う。なんか、悲しい…や。 「名前ちゃん?どうかした?」 『えっ!?あっなっなんでもないよ。あっ!そういやぁ月夏様に用事あったの忘れてた!』 「ふぇっ?お兄ちゃんに?」 『うっうん!じゃあ私行くね、それじゃっ!』 無理矢理笑顔を作って走り出す。見たくなかった…ケイトが他の人に笑いかけてるところなんて…。見たく、ない…。 「名前ちゃん…どうかしたのかな」 「さぁなァ…」 全速力で城へ逃げてきたけど、逃げてしまった事に対して、後悔。 『何やってんだよ私は…はぁ…』 そして、最大級の溜息。 『もうやだ…本気で泣きたい…』 「気持ち悪いから止めろよ」 『っうわぁ!月夏様!!』 「うわ、なんだよ…?」 『なっなんだよじゃないですよ!かなり驚きましたよ!』 「知るか。つか、何かあったか?いつもより気持ち悪いぞ、顔が」 『煩いです!』 つか、月夏様…本気でほっといて下さい。いや、マジで!! 「言え…名前」 何はともあれ…黒い笑顔を見せる月夏様。…うん…怖い… 『わっわかりましたよ!いっ言えばいいんでしょ!…じっ実は…ですね…』 「…」 『逃げちゃったんです…』 「誰からだよ」 『かっカンナちゃんと…ケイトから…』 「…はぁ?」 坦々と今さっきの事を話す。話している最中、思い出して、なんだか、泣きそうになった。 「……」 話し終えた後、何故か襲ってきた沈黙。そして、何故か震えてる月夏様。 『月夏…様…?』 「…くっ……アハハハハ!お前がアイツに…クククッ…アハハハハ!!」 『わっ笑わないで下さいよ!!』 月夏は一気に血相を変えて笑い出した。 「だってよ…ククッ…アハハハハ!!」 『あぁ!もぉ!月夏様に言った私が馬鹿でした!』 いや、流石に傷付くよ!?せっかく人が真剣に言ってるのに! 「そう、怒るなよ」 そう言いながらも今だに月夏様は笑っていた。 『だって…にしても私最悪ですよね。…カンナちゃんに嫉妬だなんて……』 「確かに最悪だな」 『ヒドッ!月夏様ぁ…本当に私泣いちゃいますよぉ』 「うわぁ…マジでキモいから止めれ」 いやいや!貴方は何処まで酷い奴なんだよ!クソッ…上司じゃなけりゃ確実に殴ってるよ! 『あぁ!もういいです!一人にしてください!』 そう言って、名前はまたふて腐れた。 「…いいか名前、カンナの奴はアイツの事なんも思ってねぇ。それに、あいつもそんなに馬鹿じゃねぇから安心しろ」 『?はっ…はぁ…?』 月夏様はじゃあなっと私に頭を軽く叩いて行ってしまった。 『どういう意味だ?』 全く私には理解出来なかった。 「意味わかんねぇし…カンナちゃんといれて嬉しかったはずなのに…」 ずっとさっきまでカンナちゃんといた。だから、今ならかなりご機嫌なはずなのに…なんかモヤモヤが抜けねぇ… 「おいおい…どうなっちまったんだァ…」 俺様は城ん中をぶらぶらしながら、このモヤモヤがなんなのか考えていた。 「んあァ…?」 その時、俺様の目の中に入ってきたのは…アイツだった。一緒にいるのは…月夏? 「なんだァ…ムカついて仕方ねぇし…」 俺はなんとなく聞き耳を立てる事にした。二人はなんか楽しそうに話してる。時々名前の奴が泣きまねしたりして…月夏の野郎もなんか楽しげで…なんで俺以外にあんな顔…してんだァ。なんかそれが無償に…ムカつく 「よぉ、ケイト何やってんだよ」 「んだよ…なんもしてねぇしィ」 さっきまで名前と話していた月夏がいつの間にかこちらへ来ていた。 「お前もちったぁ素直になるこったな」 「はっ?意味わかんねぇし」 「すぐわかるってじゃあな」 月夏はそう行ってどこかへ行った。 『たく…あの人は何を考えてるんだか』 月夏様と別れた私はゆっくりと城の中を歩いていた。 『…あぁ…私もカンナちゃんみたいな女の子だったらなぁ…』 「お前がカンナちゃんなら気持ち悪りぃだけだろ」 『!!…えっ…』 聞き覚えのある声…しかも…私が大好き声。ゆっくりと振り向くそこには紛れも無い私が大好きな人がいた… 『ケ…イト…』 「んあァ、なんだよ」 『なんで此処に…?』 「居たら悪りィのかよ」 『いや、悪くない…けど…』 寧ろ嬉しいと思っている私は末期なんだろうか… 『ケイト、カンナちゃんは?』 「邪魔はいった」 『は?…あぁ、もしかして千夜君?』 「まぁなァ」 まぁ、千夜君ならわかるね。あぁ、あと月夏様も。二人ともカンナちゃんLOVEだからなぁ。兄弟愛越えてるし…まぁ、カンナちゃんは無自覚みたいだけど 「…なぁ、さっきアイツと何話してたんだよ」 『べっ別に月夏様とは何も話してないよ!』 うわぁ、何顔を赤くしてんだよ、…ムカつく… 『そっそれにケイトには関係ないでしょ!』 あぁぁぁ!なっ何言ってるんだ私は!こんなこと言ったら可愛くないじゃん、バカじゃん、私…。 「…関係なくなんかねぇし」 『はっ?意味わかんないよケイト』 「なんかお前がアイツと話してるとムカつくんだよ!」 ムカつく!?そっそれって世間で言う… 『……ケイト…それって…嫉妬?』 「わっ悪りぃかよ!!!」 『へっ?』 「なんか分かんねぇけど、お前が他の奴にニコニコしてんのムカつくんだよ!」 『ケイト…』 なんだよ…意味わなんねぇよ。それに月夏が言ってたのって…なんだァ? 「んだよ…」 『…き…だよ』 「はぁ?聞こえねぇし」 『…ケイトの事が、…好き…』 ケイトの事が… 『大好きだよ…ケイト』 「…名前」 『えっ…』 唇に温かい感覚が走る。そして一気に幸せな感じが私を包んだ 『ケ…イト!?』 「ヒャハハ♪顔真っ赤ァ」 『うっ…』 「案外お前の事好きだぜェ、名前」 【好きって言わせたい】 ねぇ、早く私に振り向いて? END |