女の子だって


先程自己紹介が終わり、リボーン(先生)からプリントを大量に配られている最中。ふと綱吉な思った。始業式など、普通ならば全校生徒が借り出されるはず。なのに、今はそんな様子もなく、ただリボーンが面倒臭そうにプリントを配っているだけだった。

黙っているという事が基本できないこのクラスのメンバーはまたがやがやと騒ぎはじめる。そんな時だ、教室にパンッと、銃声がした。


「おい、瑞希以外黙れ」


プリントを配るという苛々とした作業に加え、騒がしい教室に、リボーンの苛立ちは頂点に達した。いきなり銃をぶっ放した


「あっ危ないだろリボーン!つか、なんで姉ちゃん以外!?」

「うるせー。ここでは俺がルールだからだよ」

綱吉はリボーンの意味不明な言葉にいつも以上のツッコミで答えていた。

「ねぇ、どうでもいいけど。早く話し進めてよ、赤ん坊…。」

「チッ…わぁったよ…」


こんな時になんだが…きっと皆心の中で思ったはずだ。雲雀が大人であるリボーンに今、“赤ん坊”と言い、リボーンはそれに対して何も触れる事なく、話しを進め出した事に対して何故そのまま返すのか、そして、何故赤ん坊と呼ぶのかっと…まぁ思ってしまったらここは負けだ。とりあえず、このまま話を進めてよう。


「瑞希ちゃん、瑞希ちゃん!」

『ん、なにハル?』


三浦ハルが話しかけてきた。ハル、後ろからキラキラとした目をしながら弾んだ声で話しかける。何か良いことでもあったのだろうか、と瑞希は思う。そして、そのままハルの言葉に耳を傾けた。


「ハル、瑞希ちゃんと同じ班になりたいです!」

「あっ、私も瑞希ちゃんと同じ班になりないな!」


ハルと話をしている最中に、割り込むように隣から可愛らしい声がまた聞こえてきた。笹川京子だ。


『……えっ…同じ班?』

「あれ?瑞希ちゃん聞いてなかったんですか?なんか明日から一泊二日のオリエンテーションがあるらしいんです!」

「それで、その班を今から決めるんだよ」

始業式の次の日にいきなりのオリエンテーション…。急に、しかも有り得ない事ばかりだ。しかし、ここは触れぬが吉なのだろう。それに泊まりのオリエンテーションというのは一種の旅行だと考えれば良い話しなのだから。


『あっ、そうなんだ!じゃあ私もハルや京子と同じ班だといいな!』

「っ…もう、瑞希ちゃんカワイーです!」

「瑞希ちゃん、カワイー」

『えっ、はわわ!』


いきなり抱き着くハルと京子に瑞希はとっさのことなので混乱する。しかし、可愛らしい後輩が懐いてくれる事に瑞希は喜びを隠せなかった。

しかし、その反面、この状態を誰もが羨ましく思ったのは言うまでもない。


「瑞希…」

『ん?あっクローム!どうしたの?』

「私も瑞希と同じ班がいい…」

「はひっ!じゃあクロームちゃんも入りますか?クロームちゃんが入ってくれれば、ちょうど4人になりますし」

「うん、ちょうどいいかも!」

『よっし、じゃあ決定だね!』


はたから見れば、ただの仲の良い女の子達。だが、三人の中では“仲の良い”という形容詞もただの飾りだ。この三人の中にあるのは、誰が彼女を手に入れるか…ただそれだけなのだから。

瑞希がリボーンに呼ばれ前へ出ていく。それを気に三人は互いに顔を見合わせていた。


「ハルちゃん…クロームちゃん…。私、負けないからね!」


キラキラとした瑞希ちゃんの笑顔を見たら胸がドキッとした。やっぱり、私は彼女が好きなんだと再確認。


「はいっ!全力で勝負です!」


瑞希ちゃんを好きになって何が悪いんでしょうか?女の子だからって女の子を好きになるな。なんてただの批判です。


「負けない…」


大切な人の大切な人は私にとっても大切な人…。だけど、だからと言って好きになっちゃいけない訳じゃない。


「(((まだまだ、チャンスがあるんなら…諦めたりしないっ!)))」


仲のいい友達だからこそ負けられない!


「んじゃあ今から、明日の班、決めるぞ」

リボーンの声が教室に響く…。男子と女子の壮絶なバトルがもうすぐ幕が上がる


【女の子だって】
好きな娘と同じ班になりたいの!
(男の子達との班なんて)
(絶対…)
(私達が許しません!)

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