自己紹介
「おい、テメェら…授業…始めるぞ」
その言葉に全員、言葉を失った。なぜなら、瑞希達の目の前には黒いスーツをきて、黒い帽子をかぶっている…
リボーンのような格好をした、男。
この男はリボーンだろうか…いや、それはない。なぜなら、リボーンは赤ん坊のはずなのだから…
『あの…いったい誰なんですか?』
「瑞希、俺の名前忘れたのか」
「(何だ、こいつ…。)」
『へっ?』
男はニヤッと笑う。まるで、その状況を楽しむかのように…。
「自己紹介してやる。お前らのクラスの担任になった…“リボーン”だよろしくな…」
一瞬にして、全員…そうクラス全員がそれを聞き、固まった。
「りりりりリボーン!なっなんで!?」
「んだよ。うるせぇな。」
「いや、お前赤ん坊じゃぁ!」
「たくっ、細けー話はいいだろ。さっさとHR始めるぞ」
正直なところ、全く細かい話ではないのだが、そんな事気にせず、リボーンは坦々と話を進めていく。
「それじゃあ出席とるぞ。瑞希」
『はい。』
「よし。じゃあHRはこれで終わ「姉ちゃんだけかよ!」チッ、うるせーってんだろツナ。瑞希さえ分かればそれでいいんだよ」
何かの漫才でも見ているかの情景。しかし、そんな無駄な事をしていた所為か、HRの時間が過ぎ、一時間目が始まってしまった。
「まぁ、最初の一時間目だ。テメェら勝手に自己紹介でもなんでもしてろ」
「適当だなぁ!オイ!こんな見知ったメンバーでやる意味あるのかよ」
確かに、見知ったメンバーの中で自己紹介など、あまりにもやる気が出ない。しかし、瑞希は別のようで、一瞬にして目を輝かせた。
『いいじゃんツナ!面白そうだし、やろうよ自己紹介!』
「…ねっ姉ちゃんが言うなら…」
『本当!ありがとう!ツナ!』
「う、ん。あっ、じゃあ誰からする?」
『えっと……やっぱりここは、ツナからじゃない?』
「え……俺?…わかったよ…」
瑞希に言われ、少々迷っていた綱吉だが、少し黙りながら考えたが、瑞希が頼んだからという理由で了承した。
「えっと、沢田綱吉です。…よっよろしくお願いします。姉さんに近付く奴は殺すからな…」
瑞希以外の奴に聞こえるような声で囁き、クラスの生徒にとびっきり良い(黒い)笑顔を向けた綱吉。そして、それをみたクラスの数名は固まり、数名は対抗意識をあらわにした。
『…?あぁ、えっと…次は…いけっ!恭弥』
「なんなの、瑞希そのポケ○ン的なノリは…」
『えっ…さぁ?』
「…はぁ…たくっ、この子は…」
少し溜息をつきながら、渋々挨拶(脅し)を始める雲雀。
「雲雀恭弥。群れてる奴…というより瑞希に近く奴は咬み殺すから。」
「瑞希」という言葉を強調しながら言う雲雀。なんら理解出来ていない瑞希は、頭に疑問符を浮かべた。
『えっと、じゃあ…次は…「クフフ、そろそろ僕の番のようですねっ!」えっ…』
いきなり立ち上がり声をはるパイナッ……ではなく、骸。
「いいですか!瑞希!!」
『あっ、うん。どうぞ』
少し困惑しながら瑞希がOKを出すと「クフフ」と奇妙な笑いを出しながら話し始めた。
「六道骸です。将来は瑞希と、結
「骸、今すぐそのパイナップルヘアー引き契るぞ」
「パイナップルの癖に生意気だね。咬み殺すよ…」
「骸、新学期そうそう死にたいようだな」…」
『(将来の所から聞こえなかったや…)』
瑞希には聞こえなかったようだ。しかし、しっかり聞いていた者達には罵声を浴びせられ、綱吉には、先程より素晴らしいような黒い笑顔で微笑まれ、手には炎をともしたグローブで、雲雀にはトンファーで殴られる。オマケにリボーンには愛用の銃で狙われている。骸は、もう半泣き状態の情けない顔をしていた。
『あっえっと…骸…大丈夫?』
「はっはい…なんとか…」
心配そうに、声をかける瑞希に、骸は救いの手を感じた。しかし、ただそれだけ。綱吉と雲雀の攻撃はまだ終わらない
「姉ちゃん、骸なんてほっときなよ」
「瑞希、そんなのと喋ったらパイナップルがうつるよ。」
綱吉と雲雀は、軽蔑な目で骸を睨みながら、瑞希に声をかけた。瑞希は苦笑いを浮かべる以外、何もできない。
ざわざわと騒がしくなってきた教室。もう収集がだんだんと着かなくなってきた。その時だ、バンッという大きな音が教室に響き渡たった。そして、次の瞬間、リボーンの殺気まじりの低い声が教室を支配した。
「どうでもいい。…さっさと次にいけ」
一瞬にして教室中に冷たいシンッとした空気がながれてしまった。戸惑いを隠せない瑞希に、綱吉が次の自己紹介を瑞希に回した。
「そろそろ、姉ちゃんが挨拶したらいいんじゃない?」
『私?うんっ!わかった!』
元気よくにこやかな感じが教室中を和ませた。先程の冷たい空気が嘘のようだ。
『えっと、沢田瑞希です。みんな、今日からよろしくねっ!』
瑞希にとっては普通の笑みを浮かべた。しかし、このクラスのいるメンバーは全員が瑞希を狙っている。つまり、彼らにとっては極上と言って良い程の笑顔を向けられているというわけだ。
『えっ…?』
一瞬にして、クラスの数名の男女が倒れだした。なんとか倒れずにすんでいる綱吉や雲雀だが、よく見れば顔を真っ赤にしていた。骸は鼻血を出しながらなぜか荒い息遣い。リボーンは大丈夫そうな顔をしているかと思えば、手で顔を隠している。
『なっ…なんで?』
瑞希の疑問が絶えないまま、チャイムがなり、一時間目が終わりを告げた。
【自己紹介】
さぁ、新学期が始まるよ!
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