新たな気持ちを秘めた仲間がまた一人できました。さぁ今日からまた再出発!


【ドラゴンが出た!】



部室。今はミーティング中でみんな集まり、前には円堂と豪炎寺が並んでいる。新たな仲間である豪炎寺にみんな注目していた…ただ一人を残して…



「これで豪炎寺は、雷門中サッカー部の一員だ!皆仲良くやろうぜ!」

「豪炎寺修也だ。」

「豪炎寺さんが俺達と一緒に…!」

「これで怖いものなしだね!」



豪炎寺を期待している1年のそんな言葉に染岡は強く言った。



「待てよ!そいつに何の用がある!?雷門中には俺の必殺シュートがあるじゃないか!」

「染岡…。」

「どうしたんだよ染岡!雷門中のストライカーが2人になるんだぜ?こんな心強いことはないじゃないか!」



このままではいけないと思った明も話に割って入る。



『ほっほら、作戦の幅も広がるよ?2トップで攻めていけば、前とは全然雰囲気違うようになるし…!』


「うるせぇー!明は少し黙ってろ!」


『っ!』


染岡のイライラは明に当てられた。明はビクッと驚いた後黙ってしまった。そして、再び染岡は豪炎寺に目線をやり睨みつける。



「雷門中のストライカーは俺一人で十分だ。」

「結構つまらない事にこだわるんだな。それに、明に八つ当たりはどうかと思うぞ?」



鼻で笑い余裕の表情の豪炎寺の胸倉を染岡が掴んだ。



「つまらないことだとぉ!?」

『染岡、止めてっ!』



いかにも殴り掛かりそうな染岡を明は必死で止めていた。そしてその時、部室の戸が開いて秋と春奈が入ってきた。春奈は手に何かのディスクを持っていた



『秋、春奈ちゃん』

「皆いる?」
「これ、見てください!」


『染岡、行こう!』


「ちっ!」



明の言葉に染岡はしぶしぶ手を離した。春奈がパソコンを広げ、それにディスクを入れる。皆はそれを中心に集まり画面を見る。映し出された映像は他校と尾刈斗中の試合。



『これ、は?』

「尾刈斗中の試合です!えへへっ、新聞部の情報網使ってゲットしたんです!私にかかればこれくらいお茶の子さいさいですよ?」

『わぁ、春奈ちゃん凄いね!』

「そっそんな事ないですよ」



明の言葉に春奈は真っ赤になりながら照れた。その雰囲気はとても嬉しそうだ



「すっげえよマネージャー…!これで尾刈斗中の研究ができるぞ…!!ん、これは?」



尾刈斗中が攻めていっているときに相手チームのDFの動きが全員止まっていた。何故だかはわからないが動けないように見える。



「なんであいつら止まってんの?」

「多分、動けないんです。噂では、尾刈斗中の…呪いだとか…」



おどろおどろしげなポーズをとる春奈におびえる部員。



「「「呪い〜!?」」」

『はっ春奈ちゃん…!呪いなんて、そっそんな事…』

「呪いか…。」


『ままま守兄止めてよぉ』

「あっ、ゴメン」



怖がる明に苦笑いを浮かべながら部員全員が、尾刈斗中との試合に不安と疑問を抱きながらの試合、当日…。



「はい!いよいよ今日この日を迎えました!雷門中対尾刈斗中の練習試合!」



空は怪しげな曇り空。しかしその反面ギャラリーはとても盛り上がっている。グラウンドの皆は準備運動をしたり緊張をほぐしたりしていた。明は秋や春奈と一緒に試合の準備をしていた



『ふぅ、準備終了』

「ふふっ、お疲れ様明ちゃん」

『うん!』



準備が終わり、後は試合を待つだけになった明はギャラリーの多さに少し驚きながら辺りを見渡していた



『あっ…』



ふと明が校門の方を見るとそこにはどこか見たことのある人物が二人いた。明は秋達に席を外す事を言い校門へ向かう。



『鬼道君、佐久間君!』

「明か」

「久しぶりだな」

『うん!それよりどうしたの?あっ、もしかして偵察とか?』



明は出来るだけ早く校門へと走る。久しぶりに会う二人に明は少しウキウキしていた



「まぁ、そんなところだな」



鬼道がそう答えると明は嬉しそうに笑った



『そっか!ふふっ、前までとは違うから驚かないでね!』

「あぁ」

「なぁ明…お前、出ないのか?」

『えっ…うん、まぁ、ね…』



佐久間の質問に明はばつそうな顔をした。自分も出たいとは思うだが、女である自分がサッカーの試合に出るわけにはいかないからだ



「あっ、すまん…」

『ううん…』



佐久間はそれを察したのか、すぐに明に謝った。そして、雰囲気が悪い空気をどうにかするために、鬼道は今回の尾刈斗中の話しをしだした



「そういえば、尾刈斗中と言えば…呪いだとかいう話があったな…」

『っ…!』



呪いという言葉を聞いた瞬間、明はピタッと固まってしまった…



「明…?」


『のののの呪いなんてあるわけないじゃないですか、なにを言っているんですか鬼道君!あはははははは』

「お前、そういう系もしかして…苦手なのか?」

『そそそんな事ないよ!何を言うのかな佐久間君!!』



必死に否定をするが、逆にこの行動は怪しく見えるだけだ



「はははっ、お前本当面白いな」



いきなり腹を抱えて笑い出す佐久間。鬼道は手で口を押さえてクスクスと笑っていた。



『わっ笑わないでよっ!あっ…私そろそろ行かないと…!』

「まっ、頑張れよ」

『うん!二人とまたフィールドで会えるように頑張るよ!』



それじゃぁねっ!っと、明は言い残し、グラウンドへと走って戻って行った。明が雷門のベンチに戻ると雷門イレブンと尾刈斗イレブンがグラウンドの中心で並んでいた。



『秋。』


「あ、明ちゃん。遅かったね、どうかしたの?」

『ん、ちょっとね。』



苦笑いを浮かべながら明はベンチに座る。フィールドを見ると冬海と尾刈斗中の監督、地木流が握手をした。そして地木流は豪炎寺の方に歩み寄る。



「君が豪炎寺君ですね!帝国戦で君が打ったシュート、見せてもらいましたよ。いやはや、全くもってすばらしかった!今日はお手柔らかにお願いしますね。」



その言葉に雷門イレブンは眉をひそめた。豪炎寺も気にくわない表情だ。



「ちょっと待て!アンタ達の相手は豪炎寺じゃない!俺達全員だ!」

「はぁ?これは滑稽ですね!我々は豪炎寺君と戦ってみたいから練習試合を申し込んだのですよ?弱小チームである雷門中など、興味はありません。」

「何ぃ!!」



怒鳴り声を上げ、地木流に突っ掛かろとする染岡は円堂に止められていた



『…なに、あの人…ムカつく…!!』

「明ちゃん落ち着いて!」



明もベンチから出て行きそうな所を秋に止められた。だが、ずっと地木流を睨めつけていた



「せいぜい豪炎寺君の足を引っ張らないようにしてくださいよ。」



そう言い地木流は尾刈斗のベンチへと戻っいけ、そう思ったが地木流は明のいる雷門のベンチへやってきた。



「貴女が、円堂明さんですね?」

『はい、何かご用ですか?』


「貴女は試合には出ないのですか?」



この監督はいったい何を言っているのだろうか。私は女で…公式戦には出れないのに…



『私はマネージャーですから』

「我々は貴女も目的の一つなのですが…まぁいいでしょ…」



地木流は、では。ーと一言言い残し、自分のベンチへ戻って行った



 





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