※ヒロインが腐女子。軽い腐的表現などが有り。
「不動!お前名前に近づくな」
「鬼道ちゃんこそ離れたらどうだ?名前が困ってるぜ?」
普通の女の子にとってこの状況はとても美味しい状況に今私は浸っていた。二人の美形男子から言い寄られる。まさに小説やゲームみたいな状況だ。
だけど、私はそんなものでは満足しない。私が満足する状況は一つだけ
「私のことはどうでもいいからさ、二人でいちゃいちゃしてよ!」
「「またそれか!」」
そう。私は、所詮腐女子。この二人がいちゃいちゃしてくれた方がすごく幸せなの。あぁ、傍観って素敵よね!
「お前さ、いっつも思うけど気持ち悪いだろ!なんで俺が鬼道くんと!」
「それはこっちの台詞だ!なぜ俺が不動なんかと!」
まるで火花でも散らすかのように互いに睨らんでいるけど、私の目からは互いに見つめ合ってるようにしか見えないの。
あぁ、本当にこの二人が絡んでるだけですごく美味しい!きどふどかな…あっでも、やっぱり、ふどきども捨て難い…
「名前…」
「んー?」
「お前は俺達にどうして欲しいんだ」
不意に鬼道くんが真剣な表情で質問してきた。どうして欲しいか。なんて最初から言ってるじゃない。そう言えば、二人は溜息を尽く。
二人とも幸せ逃げるよ?
「俺達はお前が好きなんだ」
「ライバル同士でいちゃいちゃできる訳ねぇだろ。つうか俺らは男同士だぞ?よく考えろよ、アホ…!」
悪態を尽くのは彼にとっての、照れ隠し!って私は思ってるから、ただ可愛いなって思うだけなんだ。
ゴメンね不動くん。私は傷つく心さえどこか可笑しい子なんだよ
「男同士の愛もいいと思うんだけどなぁ…ほらっ円堂くんと風丸くんとかさ。幼なじみって本当いいよねー。なんか萌える!」
そう言えば、二人は頭を抱え、また溜息をついた。そんなに可笑しいのかな?いいじゃん円風とか風円とか。まっ、私は鬼道くんと不動くんの絡み方が好きなんだけどね!
「ふふっ、本当二人って良いコンビだよね!」
「はっ?何言ってんだよ。まだ変な方向の話か?」
「ちっ違うよ。普通にそう思っただけだよ!今もそうだけど、サッカーして司令塔みたいにフィールドを走ってる二人って本当に良いコンビだよ。本当格好良いって思うもん」
突然、二人が互いに目を逸らす。不自然なその行動がよく分からなくなった。正直に有りのままを言っただけなんだけど。まぁ、けどこんな反応の二人はなんか可愛いって思うし見れたから満足だ。
「とっ、とりあえず、だ!お前は俺と鬼道くんのどっちが好きなんだよ!」
「そっそうだ。そろそろ…はっきりしてもらいたいんだが…」
真剣な目が私を射ぬく。逃げられない雰囲気に正直戸惑いを隠せなかった。
「私は…ふっ二人とも好き、だよ」
「それじゃあ納得できない!」
「わっ分かってるよ!けど、本当二人とも好きなの!どっちかとか選べない、し…」
決断力の乏しい私にとって、二者択一はもっとも苦手な部類に入るわけで、どうしたらいいか本当に分からないのだ。
二人が好きって言うのは嘘じゃない。だが、選べって言われて選べるレベルの話ではない。
「だっ、だから…ね!」
【二人が付き合って下さい!】
結局のところそれが一番早いんだよ
(ふざけるな!)
(二人からの罵声が響くまで)
(あと数十秒)
END
郁子様、リクエストありがとうございました!
とりあえず鬼→ヒロイン←不の三角関係がもう…美味しいなって感じです!ヒロインが腐女子に成り切れてないのが少し不完全燃焼な感じですが、喜んでいただけたら嬉しいです!
2012.2.8 夢桜