稲妻11 | ナノ


「望月、お、俺と…付き合ってくれないか?」


空色が茜色に染まった気がした。たまに目線を逸らしたり、私の目を見て照れているのは一目瞭然だった。そして私の心臓がいつになく高鳴ってるのもよく分かった。


「えっ、あっ」


吃ってしまう自分に焦る。これはもしかしたら冗談で、私をからかっているんじゃないだろうかと思った矢先だ。彼は私から目を逸らさずにじっと見てくる。その瞬間、また私の心臓が速く高鳴る。


「おっ俺、本気…だから」


凜としたその表情から、どこか逃げ出せなくなりそうだった。その表情から本気だって事は分かる。


「わ、私…貴方の事…何も知らない、し…話すのも今日が初めてで…」

「分かってる。だから無理しなくていい。それに、すぐに返事が欲しいわけじゃないから」


彼はそう言って、私の手を強く握った。えっ、っと声が漏れた。瞬間、どんどん顔が赤くなるのが分かった。そして気恥ずかしさでいっぱいになる。


「だから、少しずつでいい。俺の事、知ってくれ。答えはその後でいいから」


なっ?っと言いながら笑う彼に私は、分かった。としか言えなかった。


「じゃあ、あの…お友達から、で」

「あぁ!」


屈託のない笑顔を前に私は直視できなくて咄嗟に俯いてしまった。


「よろしくな、望月!」
「よ、よろしく」


嬉しそうな彼の笑顔に、なんだかおかしくなりそうだった。

【名も知らないお友達】
彼の名前は風丸一郎太というらしい
(第一印象は)
(空色と彼の笑顔)

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