「あ き おっ!」 「ちょっ、お前マジ止め…ひっ…!」 今俺の目の前で、とても楽しそうに笑いながら少しずつ近寄ってきやがる女がいた。それが何もないのなら俺だって別に何も思わない。だがコイツは…明はそこら辺の女ではない。 「あぁ、明王、可愛いよ、食べちゃいたいよ…あぁ、もう早く嫁にきて」 「本当お前マジでうぜぇ!こっちくんじゃねぇよ変態!」 「そんなツンデレな貴方も好きよ」 まるで恍惚しているかのようにうっとりとした目で俺を見るコイツを見ると背筋がゾクッとするような感覚を覚える。もうマジで泣きそうだ 「黙れ!つかてめぇにんな事言われても嬉しくねぇ!!」 「そんな事言って、もう。照れ屋さんっ!でも、そんなところも大好きよっ!」 「誰が!ってお前、離れやがれぇぇ!」 誰が照れ屋だ!そう叫ぼうと思った瞬間だ。いきなり、明が俺に抱き着いてきやがった。 「ははは、不動と明はいつも仲が良いな!」 「ふっ、お似合いじゃないか不動」 少し遠くの方で、キャプテンと鬼道くんの声が聞こえてきた。待て。どう見てこれが仲が良いように見えるんだ!どう見ても俺が嫌がってるようにしか見えなぇだろ! 「私たちお似合いなんだって!結婚しましょっ!」 「ざけんなっ!」 「そんな事言っても可愛いだけよ?」 「ひっ!」 明はいきなり俺の腰周りを触ってきやがった。その上、このなんとも言えない息が荒さ…。コイツは正真正銘の変態だ。 「離れやがれ!!てめぇみたいな奴マジで迷惑なんだよ、変態っ!」 「あっ…」 力任せにベリッと明を引き離す。すると明はなんとも泣きそうな表情をしてきやがった。 「おっおい…」 「ごっゴメンね、気づかなくって…」 明は叱られた犬のようにいきなり落ち込みだした。やりすぎた、かもしれない。その言葉が頭を過ぎり、自分でも分かるくらい内心焦る。 「いや、おっおいっ…」 「……」 何も言わず、黙ったままの雰囲気にどこか違和感を感じる。それが俺には我慢できない状況になった。 「……わっ悪かった、よ」 「えっ…」 理解力に乏しいコイツに少し苛立ちながら頭を掻いた。分かれよ!理解しろよ! 「いっ言い過ぎたっつってんだよ!!アホっ!お前がそんなんじゃ、俺の調子が狂うだろうが!!」 「迷惑じゃないの?嫌いじゃないの?」 「……きっ嫌い、ではねぇよ。って、おい…お前…」 「っ…」 何故かいきなり下を向いて震え出した。 なんだよ、なっ泣いてんのか? 若干不安になって下から顔を覗き込む。が、ここからではあまりよく見えない。 「明…?」 「あ、きお…」 「お前、何泣いて…って、うぉっ!」 「明王ラブっ!そんなツンデレなところも大好き!愛してる!あぁ、もう食べちゃいたいくらい可愛い!はぁはぁはぁ」 抱き着く瞬間、明は俺に、にたぁっと笑みを向けた。考えられない。泣きまねみてぇなのいつ覚えやがったんだ!先程よりも息は乱れる明になんともしがたい悪寒をさらに感じたのは言うまでもない。 「ちっ近寄んじゃねぇぇぇ!!」 「もぉ、照れちゃってっ!」 「だから照れてねぇぇぇ!!!」 気を抜いたらいつか食われる。そう思わずにはいられない日常がそこにはあった。 「俺はお前なんか大嫌いだぁぁ!!」 誰か俺に平穏をくれ…! 【平穏を下さい】 無理な話ってか… (今日も明日も) (変態からの魔の手が) (伸びてくる…てか?) END 久々の無印更新! とりあえず、不動を虐めてくれというご要望だったので、虐めてみた。 なんか雰囲気とか予想とかより全く違うくなりました。 虐め=肉体的に しか思い付かなかったんですけど、これでもありかな…?という浅はかな考えです ゴメンなさい。なんかゴメンなさい! とりあえず明王可愛いね。 肉体的に虐めと攻め立てたいです けど今回は変態に攻め立てられた(^p^) ゴメンよ明王! ではっ! |