B*






アキラは早く来たことにより、ケイスケより一足早い帰宅となった。

ふと玄関の前で立ち止まり、ケイスケの様子を振り返った。


昼休みが終わり、皆が仕事を始めだしたときにケイスケは俯いたまま一人ぽつん
と休憩所の椅子に座っていた。


あのときのケイスケは酷く落ち込んでいた。
もしこのままケイスケが帰って来なかったら…

トシマでの『あの』出来事を思い出し、背筋がぞくりとした。
ケイスケは追い込まれると何を仕出かすかわからない。




「…ケイスケ…」




嫌な予感がして、アキラは荷物を玄関に投げ込むと、そのまま再び外に向かって走り出した。





夏に近づいているため、6時を回ってもまだ外は明るかった。
川原を駆け、仕事場のほうに向かう。
ふと、土手のほうに目をやると、そこには自分と同じ白いツナギを来た人間が横たわっていた。

夕焼けのせいで誰だかわからない。しかしアキラはそれがケイスケであると瞬時にわかった。



「ケイスケ!!」

「あ、アキラ!?」


息を切らせ、滑り込むようにケイスケのもとに現れたアキラはケイスケを見るなり急に顔を逸らした。



ケイスケに何もなかったことへの安堵の気持ちと、必死になってケイスケのもとに走っていた自分への恥ずかしさが同時に沸き起こったのだ。


「…あの…アキラ…その…俺のこと、嫌いになっちゃった…?」

「何言ってんだよ」

「だって…」


モジモジしているケイスケを見て、溜息をつくと、アキラはボソリと言った。

「嫌いならこんな所まで探しに来たりしない。それに、わかってくれたのならもういい。」

「アキラ…。よかった…。てっきり嫌われちゃったのかと思って不安だったんだ。…でも、俺…アキラを見てると我慢できなくなっちゃうんだ。」


そう言うと、ケイスケはアキラをそっと抱きしめた。
腕の中でアキラの体温が上昇していくのがわかった。


「ばっ!ケイスケ!ここ…外…」

「…アキラが許してくれたんだもん。嬉しくって…。もう少しこのままでいさせて…」


アキラから小さな呻き声が聞こえたが、ケイスケはその腕を離そうとはしなかった。










***
あれから二人で仲良く家路に着き、今は夕飯を食べ終えてのんびりとしていた。


「ケイスケ、風呂上がったけど…すぐ入るか?」

下だけパジャマを着たアキラが濡れた髪をタオルで拭きながらケイスケに聞く。


「っ!アキラ!?」

「な、何だよ!!」

「駄目だよ…そんな格好してちゃ…。」


ケイスケが目を泳がせながら、アキラに言う。
なんのことだか全く分からず、首を傾げるとケイスケはアキラの腕を掴み、敷いてあった布団に無理矢理押し倒した。


「んなっ…に…やって…」


抵抗しようともがくが、ラインの力が完全に抜けきれていないケイスケには全く歯が立たなかった。

「…そうやってアキラが俺を煽るから欲しくなっちゃうんだよ。…わからないの?」

「…別に…煽ってなんて……。ケイスケが勝手にそう感じてるだけだろ…!」


アキラの言うことなど聞いていないかのようにケイスケはアキラの腕を片手で封じると、もう片方の手で何も着ていなかった上半身に手を這わせた。

「…っ!んっ…ぁ…」

「ほら、そうやって口先だけで抵抗したって身体は素直なんだね。」

「…っるさ…あぁっ!」


胸の突起を触られ、声が上擦る。
それに気を良くしたのか、ケイスケが更に触れてくる。


「…ケ…スケ…お前は我慢と確認ってもんができないのか…よ…」

「…っ…」


不意にケイスケの手が止まった。
そのままアキラの身体から離れるといきなり正座をした。


「…ゴメン!!俺…またアキラに嫌なことしようとしてた…」

「……。」

「止めるか…「俺が言いたいのは!!…一言確認を取ってもらいたいだけだ。」

「…アキラ?」


顔を真っ赤にしながら涙目で訴えるアキラ。


「抱く、抱かない以前に、俺に聞いてほしいだけだ…。急にそんなことされたら心の準備だってできないし、怖いだけだ。」

「…なら…今は抱いてもいいの…?」

「…ここまでしておいて…聞くな…」


アキラはケイスケの頬に触れると、自らケイスケの唇に押し当てた。
突然のアキラの行動に目を白黒させる。

一瞬思考回路が回らなかったが、冷静さを取り戻すとケイスケは薄く開かれた口に舌を捩じ込んだ。
歯列を割り、舌を絡めるとアキラから熱を帯びた吐息が漏れる。


「んっ…ふ…」


わざと音が聞こえるように口付けを交わすと一層アキラの声が大きくなった。
そのまま空いた手で再び愛撫を始める。


「…やっ…!んんっ…んふっ…」


胸の突起を捏ね回すと、時折身体を跳ねさせる。
そんな姿を見て耐えかねたケイスケがアキラのパジャマと下着を一気に剥ぎ取った。

そこは既に先走りでぬめりを帯びていた。
自分でも勃っているのが見え、羞恥に顔を逸らせようとしたが、口腔をも犯されているため叶わなかった。


舌を絡め、時折吸われを繰り返され、頭の中がぼやけていく。



「アキラ、ここ、こんなにしちゃって…。…苦しそうだから一回イっとく?」

そう言い、ケイスケがアキラのものを掴み、上下に扱く。


「あっ…ぁ…んっ…」

緩急をつけ、扱いていくと先走りがどんどん溢れてくる。


「気持ちいい?アキラ…」

「ば…っ…きく…な…っ…ぁ…」

「アキラの顔、すっごくエロいよ。見せてあげたいくらいだ…」

「ゃ…ぁっ…」


言葉でもアキラを責める。そうすればアキラがもっと感じることをケイスケは知っているのだ。

更に激しく扱くとアキラの喘ぎが大きくなった。


「…あぁっ…ケイスケ…もう…イ…ク…っあぁあ!!」

ビクッと身体を跳ねさせ、白濁が飛び散った。


「アキラ、たくさん出ちゃったね…」


ケイスケ手に付いたはアキラの精液を見せると、何の躊躇いもなく舐めた。


「…ケイスケ…汚いから…やめ…ろ…って…」

息も絶え絶えに訴えるアキラだが、ケイスケはそれを聞こうとしない。


「そうだ…アキラが痛くないようにちゃんと今から解してあげるからね。」


ケイスケはアキラの出した精液を潤滑液代わりに後ろの蕾を解しだした。
その間、引っ切り無しに声が漏れる。

指を二本、三本と増やしていき、頃合いを見計らいケイスケの猛ったものを取り出すと、標準を定め緩々と挿入し始めた。


「アキラっ…大丈夫…?」

「っ…くっ…は……痛…い…」

「ゴメン、もう少しで全部入るから…力抜いて…」


挿れるほうも挿れられるほうもその表情は苦しそうだった。


いつもより時間をかけてゆっくりと挿入していく。


「…は…アキラ、全部入ったよ…」

「…っ…」



ケイスケを身体の奥で感じ、急に恥ずかしくなる。
顔を逸らすと、ケイスケは少し汗ばんだ手でアキラの前髪を上げ、軽くキスをした。

それが動く合図だったのだろう、ケイスケがゆっくりと腰を揺らし始めた。


「…んっ…!ケイスケ…まだ動く…な…」

「アキラ、もう無理っ!我慢できない!」


そう言うとアキラの腰を掴み激しく腰を打ちつけた。


「んはっ!やっ…!ケイスケ…やだっ…」


激しい打ちつけに生理的な涙を流す。

「ケ…スケ…ダメだって…ゃだ…そこばっかり…」

的確にアキラの感じるところを責め立てれば、再びアキラのものが元気を取り戻した。
そこをケイスケが上下に扱くと一際高い嬌声が部屋に響く


「…っぁ…!ゃ…!も…ケイスケ…っぁあ!!」

頭の中がスパークし、思考回路がショートする。
アキラが達したことで中が締め付けられ、程なくしてケイスケも中に注ぎ込んだ。


アキラは達した余韻と疲れで意識を手放した……








***
「アキラ…」

「……。」

「ゴメンって…」

「……。」

「我慢できなかったことも、中に出しちゃったことも謝るか…「謝るのならまずは約束を守れよ…。」


次の日、ケイスケは再びアキラに土下座で謝罪していた。

アキラは目も合わせようとしない。


「約束が守れないなら俺はケイスケのこと嫌いになる。」

「…そんな…」

「これから1ヵ月!俺に触るな!わかったな!!」



前回のように許すつもりは全くない。
何回言っても聞かないのだから暫くの間反省すればいい。


アキラはそう心の中で呟きながら仕事に向かう準備をするのだった………









end








3000Hitのキリリクです。
sorata様、いかがでしたか?これが私の限界です……
こんな駄文でも読んでいただけたら嬉しいです。


裏なんて久しぶりに書いたので「こんなんでいいんだっけ?」
と悪戦苦闘…(笑)

何だかんだ言って、エンドレスな二人です。
どうせ最終的にはアキラが折れて仲直りするんですよ←(笑)

感想などいただけたら飛び跳ねます!!



最後までお読みいただき、ありがとうございました。



2009.06.23


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