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重いドアを2回ほどノックし中に入った。
数メートル先の椅子に腰掛けるシキはどこか参っていた。

「話というのは…」

シキは目頭を押さえていたが、アキラの問いかけにそっと視線を戻した


「勃たなくなった」

「…今、何と…」


いきなりそう言われ、何と言い返したらいいのか分からなかった


「何度も言わせるな」

苛立った口調でシキは凄んだが、アキラだって返答に困る

「…一週間、抱かなかっただろう…?」

「!!」


ハッとした表情でシキを見る。シキは立ち上がるとアキラの手首をつかみ、自分の中心に手を導いた。
アキラは拒もうとしたが、シキの早さよりも遅かったので、それは叶わなかった。

「…総帥…俺のせいでしょうか…」

「何だと」

「俺が貴方を満足させることができなかったからそんなことに…」

「馬鹿が」

シキはアキラの身体を抱きしめた。首に顔を埋められアキラは戸惑う。
…まるでどうしたらいいのかわからなくて抱きついた…とでもいうかのようにきつく抱きしめられる。
シキの表情は全くわからないが、困っている…ということは痛いほどわかった。

アキラはシキを抱きしめ返し、子供をあやす母親のように優しく話した。

「総帥がそうなってしまったのは俺の責任です。どうか俺に…奉仕させてください…」

自分が今どんな顔をしているのかわからなかった、いや、分かりたくもなかった。
シキの抱きしめる腕が少し強くなった………





「んっ…っふ…っ…」

シキのモノを咥内に招き入れてどのくらい時間が経ったのだろう。
依然としてシキに変化はなかった。
シキは息を詰まらせることなく、アキラの髪をやんわりと引っ張った。
頬を赤くし、少々汗ばんだ顔をシキの座る椅子の足元から上げる。

「アキラ、もういい…」

「総帥…」


シキの力になれなかったことにアキラは悔しくて…手のひらを強く握りしめた

「総帥、最近何か心境に変化がございましたか?もしかしたらストレスなどでそうなっているのかもしれません…」

「…お前が…」

「俺…?」

言いかけて口を閉じる。
アキラはシキを急かさないようにじっと続きを待った。

「…所有物であるお前が…お前を見る目が…変わってきた…」

「…どういうふうに」

「所有物であるのに所有物として見れなくなってきた…」


アキラには難しい難問をぶつけられた気分だった。

「俺は一生貴方の所有物です。」

アキラはきっぱりとそう言ったが、シキは首を振った

「所有物ではなく…一人の人間として見るようになってしまった…。こんなこと…今までになかった…俺はそれからお前を抱けなくなった。どう接したらいい

のかわからなくなった…」

ポツリポツリと話すシキ。

所有している意識はあった。でもそれとは違う感情がアキラに対して湧き出し、考えこむうちにこうなってしまったとシキは話した。
…シキは知らないのだ、それが『愛してしまった』という事だということに。


「俺…とても嬉しいです。しかし、俺は一生貴方の所有物でありたい」

それと…とアキラは続ける

「認めていただけますか?俺が一人の人間として貴方を愛することを」


シキはアキラを見る。

「迷うことはありません。貴方の心境が変わろうと、俺は変わりません。」

「アキラ…」


アキラに言われ、ようやく気づいた。その感情がいわゆる『愛』ということに。

アキラは優しく微笑み、シキのモノにキスを落とした。

「俺を…一人の人間として抱いていただけますか…?」










(濃い内容をお望みになられる方は上の*印からお読みください)










シキの悩みも解決し、ようやくいつもの状態に戻った。
身体がいつもより重い…
散々抱かれて意識を飛ばしたアキラの身体はいつのまにかきれいにされていた。

そうか、今日は休み…だからか…

一人で納得し、再び枕に顔を埋めた。
右を見れば自分を全て支配する男の黒髪が見えた。
いつもアキラより先に目を覚ますシキだが、今日は疲れているのか、スヤスヤと寝息を立てているように見える。

少し近寄って身体を密着させる。
シキの規則的な心音が心地よい

そのままシキの首に顔を埋める




アキラは眠っているシキの耳元で囁いた



「そろそろ狸寝入りを止めて抱きしめてくださいませんか…?」







end

30000ヒットフリリク作品でした!
じゅい様からのリクエスト『ED2で総帥が勃たなくなる話…〜』でしたが、いかがでしたか?
というか遅くなってしまい、本当にすみませんでした(汗)

このリクエストが一番悩みました!!
あの完全無欠の総帥が勃たないなんて…みたいな(笑)
どういうシチュエーションでシキがアキラに『勃たなくなった』ことを打ち明けるのか、
そして、どんな理由でそうなったのか…。それが中々考えつかなくて遅くなってしまいました!
アキラも痛々しいほどに鈍感ですが、シキも同じく鈍感なのかなって。
アキラの一押しでそれが愛ということに気づけたわけですが!!←
30000Hitフリリクも今回で終わりです!どれも素晴らしいリクエストで、とても私にはもったいない内容でした!
また、いつかこんな企画をやろうと考えていますので、どうぞお楽しみに(@`▽´@)/

よろしければ感想などをお聞かせください!!



じゅい様のみお持ち帰り可です!!


2010.04.11

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