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部屋のドアの鍵を掛けられ、腹を殴られた。噎せるアキラだったが抵抗はしなかった。
「…ゴホッ!…総帥っ…何故…兵士にあんな…貴方らしくない…」
「…どいつもこいつも『アキラ様』だ何だのと…」
シキの言葉に首を傾げるアキラ。
「俺が何か……?」
「そんなに奴らが大切か?そんなに奴らが好きか!」
「兵士は大切です!奴らがいなければ戦えません!…ですが好きなどという感情はありません!」
シキの怒りの原因がわかったアキラはホッとした。兵士が失敗したわけではないようだ。シキは勘違いしている。
「俺が兵士の誰かに好意を抱いているとでもお思いですか?それなら総帥は間違っています!!」
ピシリと言い切りアキラはシキを見た。
「それではいつも楽しそうに話すあの兵士はどうなんだ?トシマの路地で事切れていたお前の仲間に似ていた気がしたが」
そこまで把握していたのか…
「あの兵士は確かに似ていた気がします。…俺が贔屓目で見ていたのも事実です…。しかしあの兵士に悪気はありません!」
「…あいつを庇うつもりか?」
「…そんなことはありません!」
「俺は……」
シキが黙った。その先の言葉を発しようとしない。アキラが首を傾げるとシキがため息をついた。
「嫉妬していたのだろうな」
「総帥…」
「お前が他の奴に接することで俺はお前の所有者である感じがしない。」
こんなに自信のない言い方をするシキを見たのは初めてだった。アキラは思わずクスッと笑った。
「貴方は……」
アキラはシキに近付き、抱きしめた
「…何おかしな事を言ってるんですか?俺は一生貴方の所有物であり、貴方しか見ていません。…ですから…勘違いしないでください…」
そう言ってからアキラは激しく後悔した。
恥ずかしいことを言ってしまった……
それをごまかすようにアキラは抱きしめていた腕を解き、言った。
「総帥の気分を害してしまった原因は俺にあります。…殴った者には俺からよく言っておきますので、どうか兵士を殴るというのはおやめください。」
「色々言うようになったな…。」
「すみません!!」
「だが、」
そう言いながらシキは再び腰に刀を収めるとドアを開けた。
「お前の言うとおりだ」
それだけ言うとシキは自室から出ていった。
颯爽と歩くシキを見てアキラは笑った。
シキの心もアキラの本心を聞けて穏やかになった……………
end
30000Hitフリリク小説第2弾でした。
七瀬様、こんな感じでどうでしょう??
シキの嫉妬は難しかったですがこれが限界でした!すみません(汗)
シキはアキラのことにおいては怒りの沸点が低いので、すぐに爆発するんだと思います←(想像
自分一筋ということがわかったシキはおそらくほっとしたでしょうね(笑)
よろしければ感想などをお聞かせください!!
七瀬様のみお持ち帰り可です!!
2010.2.27
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