高嶺の憂鬱A
中に入るといきなり胸ぐらを掴まれ殴られた。
「アキラ、何を考えていた。」
「…っ…」
「答えろ。」
壁に追いやられ尋問される。アキラには当然訳を話すわけにはいかなかった。
「…っ…すみません…」
「答えろ。」
アキラの反応を楽しむかのようにサディスティックな笑みを見せるシキ。
じっと射抜かれたように見られれば、観念したようにアキラは話しだした。
「…バレンタインの事で考え事をしていました…。」
「…呆れたものだな。…続きを話してみろ。」
「俺…総帥に…その…チョコを渡そうと思っていたんです。…しかし、チョコなんて物はここにはなく……。考えていたんです。どうやって俺の気持ちを貴方に伝えたらいいのかという事を…。」
シキはアキラを立ち上がらせ、アキラのネクタイを解いた。
「それなら何故『躯で伝える』という事を考えなかったのか。」
口端を吊り上げ、アキラのネクタイで腕を一つに纏め上げる。臍のピアスを指で軽く引っ掻くと躯がピクリと反応した。
「…っは…ゃ…め…」
「今日はバレンタインなのだろう?存分に楽しませてもらうぞ。」
そう言ってきちんと着こなされた軍服を脱がしていき、あらわになった白いきめ細かな肌に赤い花を咲かせる。
首元から徐々に胸に唇を這わせ、胸の突起を愛撫すると、甘い吐息が漏れた。
「なんだ、これだけで貴様の躯は反応するのか。淫らなものだな。」
「っ…ゃあっ…」
「…壁に手をつけ。」
愛撫の手を止め、後ろから囁く。
アキラは言われたとおりに手をつこうとするが、ネクタイで纏め上げられてしまっているためうまく出来ない。
後ろにいるシキを見ると、シキがネクタイを解いた。
再び愛撫が再開され、後ろからアキラのものを掴む。
既に立ち上がったそれを上下に扱くと、耐えられないとばかりに支えている腕が滑り落ちそうになる。
わざと音が聞こえるように擦り、耳の中に舌を入れ舐めながら思考までも奪い取る。
「…っ総…帥…」
「名前を呼べ。」
「シ…キ…っ…」
顎を取り後ろを向かせるとアキラの口を唇で塞いだ。
咥内を暴れるようにはいずり回り、アキラは為すがままになっていた。
「…んふ…っぅ…んはっ……」
呼吸さえも許されないような荒々しさ。
角度を変え、深く深く舌を絡められる。
思わず砕けそうになったとき、シキの腕がアキラの躯を支えた。
「…アキラ、どうしてほしいか言ってみろ。」
アキラは、どちらのものかわからぬ唾液が顎を伝い、潤んだ瞳でシキを見た。
「…シキのが……しぃ……っ!」
シキは自身の高ぶったものを取り出すとアキラの中をぐんぐん押し進めていく。
慣らされていないそこに激痛が走り、涙が滲む。
荒々しく腰を揺すられると、痛みの中に快感を見出だすようになってきた。
アキラの中のある一点を突いた時に、躯が大きくしなった。
「…っあ!シキ…ゃ…め…」
「嫌ではなく良いの間違いだろう。」
何度も同じ所を攻められる。
腰の動きが早くなり、息をすることさえ苦しくなってくる。
「…っ…はっ……ぁあっ!!」
思考が白く弾けたとき、同時にアキラね白濁が床に染みを作った。
アキラは余韻に浸っていたが、シキは達することなく再び腰を打ち付ける。
「シ…キ…んっ…」
「…足りない。バレンタインなのだからな、もっと貴様を喰ってやる…!」
それから何回達したのかすら覚えていない。シキはアキラが意識を失ってもなお、腰を打ち付け続けた………
***
いつの間にか朝になっていた。
「…そ…すい…」
ガラガラになった声で窓際で支度を整えていたシキに声をかける。
「目が覚めたか。…今から遠征に行ってくる。」
「俺も行きます!!」
「…そんな状態で遠征に行くだと…?ふん。なら早くしろ。」
なんのことだ、とアキラが床に足を付くと、全く力が入らず倒れそうになる。
間一髪のところでシキがアキラの躯を支えると、再びベットに寝かせた。
「…これでわかったな。」
「…はぃ……。」
シキは支度を済ませ、昨夜何もなかったかのように平然と歩いて行く。入口でアキラのほうを振り向くと、ニヤッと口端を吊り上げ、
「ホワイトデーは3倍返しだと聞いている。楽しみにしておくんだな。」
そう言って部屋を後にした。
アキラはベットの中で激しく後悔した。
…バレンタインなんて…やらなきゃよかった……………
end
_
→次はあとがき
[*前] | [次#]
戻る
topへ