ゆめ(白鳥沢) | ナノ
 はたらくおとな


アルゼンチンのとある音楽クラブにて


「はぁ〜…。チームメイトに誘われて来たものの、及川さんこう見えてクラブとかの騒がしいとこ苦手なんだよね…。ちょっと外の空気吸いに行こっと」


「「あれ、バレーボール界の猫ひ○しこと及川クンじゃーん」」


ちょっと待って何そのあだ名!? っていうか、なんでこんなところに白鳥沢の双子ちゃんがいんの!?」


「何でって皿回しに来たからだけど」


「ウチはその付き添いー」


「皿回し? そういえばマッキーが『双子ちゃんは芸能系の仕事してるらしい』って言ってたっけ。芸能は芸能でもそんな大道芸的な方とは思わなかったよ〜」


え、ガチの皿回しの方だと思われてる? 皿回しってDJって意味だから」


「こんなバキバキのパリピ御用達のクラブでガチの皿なんぞ回すかい」


「アハハ、冗談冗談…って双子ちゃん、DJやってるの!?」


「そーだよー。まあ双子ちゃんっていうか、DJやってんのは沙羅だけだけどね」


「そんなワケでそろそろ出番だからウチら行くけど、及川クンもパーリナイしちゃってねー」


「あ、行っちゃった…。それにしても、まさかアルゼンチンであの双子ちゃんに会うとは思わなかったな…」


「トオル、こんなところにいたのか! 女の子たちがお前を探し回ってたぞ」←チームメイト


「あ、ゴメンゴメン! ちょっと外の空気吸いに行ってて〜」


「それよりも、今話してた日本人の女の子、もしかしてSara Hawkじゃなかったか!?」


「へ? サラホーク?」


「今日のイベントの目玉DJだよ! 南米の音楽マニアの間じゃ超有名なトラックメイカーだぜ? YouTubeにトラック上がってるから聞いてみろよ」


「どれどれ…ってホントだ、コメントとか外国人ばっか! あの双子ちゃん、そんな有名人になってたんだ。どれどれ、DJとかあんまり興味ないけど、どんなもんか見てみようか」


♪ハイ!ハイ!グルグルぐるニャー!
♪ハイ!ハイ!プノンペンプノンペン!
♪ハイ!ハイ!グルグルぐるニャー!
♪ハイ!ハイ!カンボジア!


「ちょっと待って、こんなパリピ御用達クラブで何なのその曲!?」


「「ネコネコニャーゴ〜猫ひ○し体操第一〜だよ」」


「DJブース使ってまで俺を猫ひ○しいじりするのやめて!!!」








及川さんの誕生日記念に書いたネタのはずだがどうしてこうなった。
ちなみに猫ひ○しの曲は実在します。


・Sara Hawk
沙羅のアーティスト名義。日本では知る人ぞ知る、みたいなポジションだが、外国の音楽マニアの間では超有名。特に南米人気が強い。







小鳩、巴、双子の4人でリモート飲み会をしたよ


「そういえば沙羅の大ファンだって生徒がいてさ! 同期だって話したらびっくりしてた!」


「マジで? 中学生でうちが好きって渋いセンスしてんね、その子」


「特進クラスの生徒なんだけど、勉強中によく聞いてるんだってさ。文化祭も近いし、そのうち学校に来てサインとかしてやってよ」


「巴ってザ・体育会系教師かと思いきや誰にでも分け隔てないし、意外と良い距離感で接してくれるから結構好かれるタイプの先生だよね」


「? なんであたしの話になんの? 褒めてくれるのは嬉しいけど」


「いや普通クラスの担任なのに特進の子とも仲良いんだーと思って。ところで小鳩は仕事どう?」


「まあまあいい感じかな、新事業のお菓子部門も好調だし。今度、東欧から輸入したお菓子を中心にパッケージした『東欧スイーツフェア』っていうのをやる予定で、それの担当になったから結構忙しいんだ。来週からしばらく海外出張だし」


「へー、すごいじゃん! 東欧ってどこ?」


「コラ中学教師ー。東欧っていうとチェコとかポーランドとかじゃん?」


「あ、そっか。牛島って今ポーランドのチームにいるから、出張を口実に会いに行きまくれちゃうのか。そりゃあ気合入っちゃうよね」


「そ、そんな公私混同なことはしません!!!」


「そうそう、この反応あってのリモート同期飲みよ」


「こはくも仕事が繁忙期じゃなきゃ誘えたのにねー」


「繁忙期? 洋裁のお店って今が忙しい時期だっけ?」


「ほら、白鳥沢の文化祭がもうすぐじゃん? だからベルばら衣装のお直しで今てんてこまいなんだって」


「ちょっと待って、まだあの衣装使ってるの!?」


「あれ、小鳩知らんかったの? うちらの代でやってたベルばら、今や白鳥沢女バレの伝統として受け継がれてて、文化祭とかで毎年披露してるんだよ」


「こはくは毎年あの衣装のお直しもやってくれてるんだよ! しかも白鳥沢の生徒は特別料金でお直ししてくれてるから、身長伸びて制服合わなくなる中等部の生徒なんかにはこはくのお店紹介してる!」


「卒業生のアドバンテージをフル活用して固定客掴むあたり、こはくもなかなかの商売人だよねー」


「いやそれよりベルばらの衝撃が凄くて…伝統として受け継がれてるってなに…orz」









こはくが営む洋裁店の名前は「洋裁のお店アンバー」。命名は戸鷹姉妹。白鳥沢とはズブズブの関係。


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