◎ La vie en rose -薔薇色の人生-
これまでのあらすじ(?)
大学の卒業旅行でフランスを訪れた小鳩と巴。
せっかくなので天童に頼んで現地を案内してもらうことになったが…?
「ジャジャーン! これがフランスのシンボル、エッフェル塔だヨー!」
「うわ、でっけー! 登れんの?」
「チケットを買えば登れるみたいだけど、すごい行列だね…。この後の予定を考えると、また別の機会にしておいた方がいいかな」
「そだねー、そろそろご飯どきだし。空知ちゃんと巴、なに食いたい? チョコ専門とはいえ料理人の端くれだから良い店連れてってあげんよ〜」
「マジで!? じゃあうどん!」
「いやフランスに来た時ぐらい現地のもん食べなよ」「だってフランス料理ってナイフとフォークで丁寧に食わなきゃいけないイメージなんだもん。せっかく旅行で楽しんでる時に堅苦しいのはごめんだぞ!」
「た、確かにフルコース料理のイメージはあるけど…。天童の行きつけのお店とか、連れてってもらえばいいんじゃない?」
「まあオレもフランス料理自体はそんなだから、オレの行きつけの店ってなると日本食レストランになっちゃうんでゲスがね」
「じゃあなんであたしに『現地のもの食え』とかツッコんできたんだよ」
日本食レストランにて
「Bienvenue. combien de personnes?」
「3 personnes. Veuillez me guider vers un siège non-fumeur!」
「天童がフランス語しゃべってる! なんか違和感!」
「違和感って何よ違和感って。こちとらパリ歴4年よ〜?」
「高校卒業してすぐに留学したもんね。私も大学でフランス語専攻したけど、結局全然身につかないまま終わっちゃった」
「言語なんてもんは一回その場所に自分を放り込んでみるのが一番早く身につくって! 空知ちゃんも1年くらいパリで生活したら、すぐに覚えられると思うよん」
「確かにそうかもな! お前高校の時はフランス語はおろか英語も赤点ギリギリだったもんな!」
「そうそう、逆に勉強して覚えようとしてたら一生身につか…ってウォーイ! 同じ赤点ギリギリ族の巴にだけは成績のことは言われたくないっつーの」
「ふふっ、なんだかこのやりとりも懐かしいね。天童、フランスに行ってから全然日本に帰ってこないんだもの」
「たまには帰ってきて白鳥沢に顔出しにきたらいいじゃん! じーちゃん、よく天童のこと気にしてるし」
「うっそ、鍛治君が? 俺ってば愛されてる〜!」
「おう! 『アイツはただでさえ国語教科の成績が最悪だったのに、あんまり長いとこフランスにいたらそのうち日本語忘れちまう』って心配してたぞ!」
「えっ、この歳になってもまだ高校時代の成績のこと言われ続けるの俺?」「へー、ここが天童が働いてる店か! めっちゃオシャレなとこだな!」
「あぁ、どのスイーツも美味しそうだし可愛い…! さすがパリで一番有名な洋菓子屋さんだね」
「弟子入りした時はそんな有名な店だって知らなかったけどね〜」
「そんな一流のお店で頑張ってるんだから、本当にすごいよ。言葉の壁だってあるだろうに」
「まあ大変っちゃ大変だけど、白鳥沢にいた頃の鍛治君のシゴきに較べれば屁みたいなモンだよね」
「白鳥沢の男バレ出身のヤツって絶対それ言うよな、天童といい瀬見といい」
「お、英太君が? なんか大学でツラいことでもあったの?」
「はじめてのワンマンライブで客が10人ぐらいしか入ってなくて凹んだけど、白鳥沢にいた頃に正セッター外された時の悔しさに較べればまだマシって言ってた」
「ゴメン流石にそれとは一緒にされたくないわ」このネタ永遠に書けるな…