ちょっとまじめな白鳥沢 | ナノ
 みにくいアヒルの子は空を飛ぶ夢を見るか3


 私がバレーボールを始めたのは中学1年生からだった。きっかけなんてほんの些細なもので、部活動への加入が強制だったことと、仲が良かった友達がバレー部に入ったから。ただそれだけだった。
 私のいた中学は特に部活動に力を入れてる訳でもなく、私は運良く身長が高かったのでレギュラー入りすることができたけれど、私より上手い選手なんて県内にはごまんといた。だから中学最後の試合で白鳥沢と対戦することになった時、私は勝ち残ることを殆ど諦めきっていた。


「きっとこれが最後の試合だろうから、思いっきり楽しんで終わろうね」
「そうだね! 小鳩と一緒にプレーできるのもこれが最後と思うと寂しいなぁ」


 チームメイトとそんなことを話しながら、私たちはコートの中へと足を踏み入れた。白鳥沢といえば男女ともに県内屈指のバレーの強豪として有名だったし、それほどバレーに対して本気ではない私たちが勝てる相手ではないことぐらい戦う前からわかりきった話だった。事実、白鳥沢の選手たちの雰囲気は私たちのそれとまるで違った。


「レシーブ短いッ! 繋げる気あんの!?」
「す…すみませんっ!」
「まだ2回戦だからって雑なプレーしてたら承知しないから!」


 特に相手チームのセッターの子の表情は一段と険しく、私たちから見れば何が悪いのかよくわからないようなプレーにも檄を飛ばしていたので、私は何だか落ち着かなかった。自分が怒られているわけでもないのに彼女の怒りの感情で身体を覆われたような気がして、試合中にも関わらず身震いしてしまうほどに。
 私たちはすっかり白鳥沢チームに気圧されて、あっという間に試合は2セット目の終盤に差し掛かった。そんな時だった、私が『あの子』のスパイクを目の当たりにしたのは。


「レシーブ乱れた! ブロック構えて!」
「ッ、巴! ラスト!」


うちのチームのエースが打ったサーブが、運良く白鳥沢のレシーブを崩すことができた。乱れたボールを後衛にいたリベロの子がカバーして、同じく後衛にいた白鳥沢のエースに二段トスを上げた。
ボールに入るのがかなりギリギリだったのかアンダーで力任せに上げたその二段トスは、並のスパイカーだったらタイミングを合わせづらいだろうほどに高かった。私はブロックに構えながら、高いトスに合わせてバックアタックの助走に入るその子を見ていた。



ズガンッ!!!!!



 その直後に、まるで大砲のようなスパイクがこちらのコートに飛んできた。体育館中に響き渡るような轟音を放ちながら打たれたそれは、コートに叩きつけられた後も勢いそのままに後方の壁へ当たり、そのままネット際に立っていた私の方まで飛んできた。私だけではなくチームメイト、審判ですら驚愕していたようで、少し遅れて相手の得点を告げる笛の音が鳴り響いた。


「や…やば…! 男子のスパイクかと思った…!」
「……」
「凄かったね、小鳩。…小鳩?」


 今までテレビ画面の中でしか見たことがないような威力のスパイクに、私は呆気に取られていた。白鳥沢が強豪であることは知っていたけど、まさかこれほどのスパイクを打てる選手がいるなんて。プレーヤーとしては二流もいいところの私にさえ、このスパイクの凄まじさはありありと伝わった。
 だけど不思議だったのは、そのとてつもないスパイクで点を稼いだ張本人に、白鳥沢チームの誰ひとりとして駆け寄らなかったことだ。それどころかセッターの子は睨むようにリベロの子を見ていて、ネットの向こうの雰囲気が殺伐とし始めていたぐらいだ。その不穏な雰囲気に呼応するように白鳥沢はそれ以降、あの子にスパイクを打たせることなく試合を運び、そのまま私たちのチームは敗北した。


「ふぃ〜、やっぱり負けかぁ。それにしてもあのスパイクにはビビったよねぇ…」
「…なんで、最初からあのスパイクを打ってこなかったんだろう」


 中学最後の試合に敗けた悔しさよりも、その疑問が私の頭の中を支配した。あれほどのスパイク、私たちのような弱小校はおろか、優勝争いに食い込むような強豪相手ですら大きな武器となるはずだ。なのに彼女はたまたま高い二段トスが上がったあの時以外、あのスパイクを打ってこなかった。


(高い、二段トス…? …そうか! 普段上がってくるトスは低すぎて、あのスパイクが打てないんだ!)


 白鳥沢の攻撃はレフトやライトといったセンター線以外のスパイカーにも速攻に近いような素早いトスを回し、ブロックが間に合わないほどの徹底的な速さで攻める、そんなプレースタイルだ。だからなのか、白鳥沢の攻撃陣のスパイクには余裕が無いように見受けられたし、レシーバーの正面にスパイクが打たれて運良くレシーブが上がる、なんて曲面もあった。普段のプレーの中ではあのスパイクを打てる余裕が無いのだ。


「…私、白鳥沢に進学する」
「えっ?」
「あのスパイクをもう一度見たい。…いや、あの子に打たせてあげたい」


 それまでバレーに真剣に取り組んでこなかった私が何を言っているんだという話だけれど、私は本気でそう思った。強豪出身でもなければ大した技術もない、あるのはせいぜい身長ぐらいの私が県内屈指の強豪である白鳥沢に進学したところで、レギュラーはおろかベンチ入りできるかすら怪しい話だ。それでも私はあの子のスパイクを目の当たりにしたことで、生まれてはじめて「バレーがやりたい」と心から思えるようになったんだ。

 それからは必死で勉強して白鳥沢の一般入試を受け、何とか合格することができた。入学してすぐにバレー部への入部希望を出しに行ったら、担任の先生からは暗に「やめておいた方がいい」というようなことを言われたし、チームからも決して歓迎はされなかった。私がスポーツ推薦ではなく一般入試で進学してきたからだ。監督や上級生に至っては最初以外私に殆ど声をかけてこなかったし、仲間であるはずの同級生ですら私をチームメイトと見做していないような雰囲気があった。


「空知ってセッターだったの? 悪いことは言わないからポジション転向した方がいいよ」
「…鴨井さん」
「だって私がいる限り、正セッターの座が空くことはないし。身長高いんだし、ミドルブロッカーになった方がいいんじゃない?」


 雪乃は入部してすぐにスタメンとして起用されるほど技術が頭ひとつ飛び抜けていて、1年生のリーダー格だった。中等部からの持ち上がり組が多いチーム内ではその影響力は絶大で、雪乃の言ったことに同調しなければならないようなそんな空気が蔓延っていた。だからなのか、雪乃が明らかに嫌っている"あの子"に対して、みんな腫れ物に触るかのようなよそよそしい態度で接していた。


「牛島、混ぜて!」
「ああ、構わん」
「あんがと、今日も頼むな! 瀬見、トス高いのちょうだい!」
「おまっ、こっちは練習終わりで死にかけてるんだからちょっと待ってろ…!」


 あの子の名前は鷲匠巴。男子バレー部の監督を長年務めてらっしゃる鷲匠鍛治監督のお孫さんで、中等部の頃はその将来を期待されていた選手だったと、入部してしばらくしてから知った。けれど彼女に対するチームの扱いは明らかに悪かった。雪乃がそうなるように仕向けていたからだ。


「外部組の空知は知らないだろうから忠告しておいてあげるけど、巴には絶対にトス上げないでね」
「…どうして」
「巴が調子乗るじゃん。巴がエースのくせにスパイクで点を稼げないせいで、中総体の決勝で負けたんだから。なのに巴、未だに自分はエースだって言い張るんだもん。自分の力量ってものをちゃんと思い知らせてやんなきゃ、あの子の為にもならないでしょ」
「……」


 私が入部したばかりの頃の白鳥沢女子バレー部は、はっきり言って異常だった。
 スポーツ推薦ではないという理由だけで私を軽んじたり、1年生唯一のスタメンだからといって雪乃の横暴な要求に対しても受容を強いる間違った実力主義。
 巴の成長を妨げて、孤立させて、あの子に敗戦の責任を押し付け"共通の敵"に仕立て上げることで築き上げた仮初の結束。
 監督も、上級生も、誰もこんな異常な空気に対して何も言わない。バレーが大して上手くもない私に言われたくないかもしれないが、こんな思考停止したチームが全国に行けるだなんてとても思えなかった。


(こんなの、絶対に間違ってる)


 だから私はこのチームを変えようと思った。このチームそのものが変わらない限り、あのスパイクが受け入れられることはない。その為には、絶対にあの子を味方につける必要があった。だから私は雪乃にどんな冷たい眼で見られようと、巴に話しかけに行った。


「鷲匠さん、一緒にパスしよう」
「…え?」
「私、空知小鳩です。中総体で一度試合したことあるの、覚えてる?」


 巴はいきなり話しかけた私に対して物凄くビックリしていた。聞けば、今まで外部入学組の誰からも話しかけられたことがなく、巴から話しかけにいけば困り顔で受け流されることばかりだったらしい。恐らくその子たちも雪乃から"忠告"を受けたのだろう。


「…あのさ、いいの? あたしと練習してたら、雪乃に怒られるかもよ」
「いいの。だって私は、あなたにトスを上げたくて白鳥沢に来たんだから」
「…あたしに?」
「うん。あの試合で見たスパイクが忘れられなくて、それで白鳥沢に進学することにしたんだよ。それくらい凄いんだから、あなたのスパイクは」
「…そう…なんだ…。えへへ、そっか…」


 それから私は練習中以外の時間でも執拗に巴に話しかけに行った。朝は一緒に登校したり、昼休みになれば巴のクラスまで行って一緒にお昼ご飯を食べたり、放課後の練習が終われば男子の居残り練に加わる巴について行って一緒に練習した。もともと巴は素直で人嫌いしない性格だから、お互いに「巴」「小鳩」と名前で呼び合うようになるまでそう時間はかからなかった。
 そうしていくうちにわかったことは、巴は誰よりもバレーボールに真摯だということ。朝は誰よりも早く体育館に来てネットを組み立てる。昼休みもご飯を食べ終わればすぐ体育館へ行ってパス練習をする。放課後は誰よりも遅く体育館に残ってボール磨きやモップ掛けをしてから帰る。そんな巴のことを一緒に練習している牛島くんや他の男バレの人たちはちゃんと認めてくれていて、だからこそ余計に巴が受けている仕打ちを許すわけにはいかなくなった。


「巴。私、必ず正セッターになるよ」
「え?」
「正セッターになって、巴が安心して全力のスパイクを打てる…そんなチームにしてみせる。私みたいな下手くそが何言ってるんだって思うかもしれないけど、でも私は絶対に成し遂げてみせる!」
「…ありがと、小鳩! あんた、ちょーカッコいいヤツだな!」


 そう笑う巴の純粋無垢な笑顔を見れば見るほど、私の心のうちの使命感はより一層深まっていった。勿論、雪乃は私よりも遥かに上手く、監督からの信頼も絶大だ。真正面から挑んだところで今の私では勝てないし、その間に巴はますます傷付いていく。雪乃から正セッターの座を奪うことはまだ叶わなくても、せめて巴の居場所をこのチームに作ってあげたい。その為には男バレのみんな以外の"味方"が必要だった。

 季節はあっという間に過ぎて、いつの間にか夏を迎えていた。牛島くんたちはインターハイで全国大会に駒を進めたけれど、女バレは準々決勝で敗退しベスト16に留まった。その直後の雪乃の苛立ち様は凄まじく同級生はおろか上級生すら怯えるほどで、私はそれまでの歪ながら何とか形を保てていたチームを取り巻く雰囲気が僅かに揺らいだのを感じた。だから私は、7月末に行われた練習合宿の最終日の夜、1年生だけが固まって雑魚寝していた合宿所の一室でとある提案をした。


「9月の文化祭、女バレの1年生で有志で何かしない?」


 私の提案に、雪乃は信じられないというような表情を浮かべていた。
 白鳥沢は9月中旬に文化祭を控えている。文化部運動部関係なく部活動に力を入れている白鳥沢の一世一代のお祭りであり、白鳥沢への進学を希望する中学生たちを誘致するアピールの場でもあった。基本的に運動部の参加は必須ではないけれど、それでも殆どの部が有志で何らかの催しをしているのに、女子バレー部は公開練習がある程度で参加には積極的ではないそうだった。


「…呆れた、何のために白鳥沢に来たワケ? 8月に春高予選もあるっていうのに。学校生活楽しみたいならバレー部やめたら」
「勿論、練習に支障がない範囲でだよ。それに男子バレー部は春高だけでなくインターハイの全国もあるのに、文化祭で出し物をするんだって」


 入学してから知って驚いたのだけれど、白鳥沢の男子バレー部は意外にも学校行事への参加に積極的だ。
 普段から遠征や大会などで授業や試験の日程に融通を利かせてもらっていたり、白鳥沢のOBを中心とした後援会の手厚いサポートを受けている彼らは、様々な人たちの支えがあるからこそ万全の体制でバレーボールができている事実をよく理解している。
 だからこそ文化祭や運動会といった学校行事には積極的に参加し、内外問わず盛り上げて学校への恩返しを果たす。それが鷲匠監督の昔からの方針だそうで、だからこそ彼らは強く美しく皆から愛され応援されているのだと納得したものだ。


「…よそはよそ、うちはうちでしょ。第一、ベンチ入りすらしてない三軍メンバーのくせによくそんな…」
「「うちらサンセー」」


 苛立った様子の雪乃を遮るように、2つのそっくりな声が重なって聞こえた。雪乃に反して私に同調してくれたのは、同じ外部入学組の戸鷹沙羅と戸鷹杏樹。そっくりな外見をした双子の姉妹で、ゆくゆくはベンチ入り確定と言われていた優秀なミドルブロッカーの2人だ。


「うちらの中学、文化祭無くてさー。高校デビューしたら文化祭で鬼パーリナイすんべとか思ってたら、女バレは基本参加しねーとか言われてマジ萎えてたんだよねー」
「そうそう。わざわざ実家から寮までギターとベース持ち込んで、文化祭限定バンド組んで青春謳歌してやんべとか思ってたのにさー」


 2人がこんなに砕けた喋り方をするところを初めて見たので、私も雪乃も驚いた。というのも、沙羅と杏樹の2人とも無口で喋ったところを殆ど見たことがなく、表情もあまり豊かな方ではなかったので、どちらかといえば何を考えてるのかわからないタイプの子だったのだ。


「…戸鷹、本気で言ってんの? あんたらこのままいけば、春高予選でベンチ入りも夢じゃなかったのに」
「だってさ、杏樹」
「いや沙羅でしょ、こないだ紅白戦でドシャット決めてたし」
「っつーかさ、何なのその『外部組のことは苗字で呼ぶ』みたいな暗黙の了解。うちらどっちも戸鷹だから、どっちのこと呼んでんのかわかんねーよ」
「っつーことでみんな、今日からうちらのこと名前で呼んでよね。こっちが沙羅でこっちが杏樹だから」


 沙羅と杏樹の不満は最もだった。私も巴以外の殆どの持ち上がり組からは苗字の「空知」と呼ばれていたが、その呼び方に無意識の拒絶のような感情を受け取ってしまって、あまり気分はよくなかった。雪乃の表情がますます険しくなる中、私の隣にいた巴が急にぷっと吹き出して、場にそぐわない明るい笑顔を浮かべる。


「ごめん、あたしちゃんと呼べる自信ない! 立ち位置入れ替わったらどっちが沙羅でどっちが杏樹かわかんねーんだもん!」


 多分巴は、本当に思ったことをそのまま言っただけだったんだと思う。けれどその一言で、沙羅と杏樹の巴を見る眼が劇的に変わった。よくわからない異質なものを見る眼から、好意の込もった優しい眼へと。


「簡単だよ、杏樹より美人で脚が長いのが沙羅ちゃん」
「嘘つけし。杏樹ちゃんより顔がデカくて体重が0.5g重いのが沙羅ね」
「結局どっちがどっちかわかんないんじゃん」
「…戸鷹!」


 雪乃がはっきりと沙羅と杏樹を睨んで、一斉に場に緊張感が走る。けれど沙羅と杏樹は堂々とした態度で、巴を挟むようにして両隣に立った。


「…あんたら2人とも、どうなっても知らないから」
「なーに、鴨井チャンのご機嫌を損ねたら強制退部みたいな仕組みあるワケ? 別にいーよ、うちらバレー辞めても全然楽しく過ごせるタイプだし」
「そうそう、思ってたよりもつまんねーなって思ってたとこだったし。スポ薦だからって退部したら速攻退学ってワケでもないしね」
「えっ! 辞めんなよ、勿体ねー! あんたら2人ともブロック上手いんだから!」


 巴の言葉に、今度は沙羅と杏樹が驚く。自分のプレーを巴が見てたこと自体が意外だったみたいだ。けれど巴は他の子たちのプレーを注意深く見ているし、良いプレーがあれば全力で賞賛する、そんな子だと私は知っている。


「どっちがどっちかはわかんねーけど、どっちかはキルブロックめっちゃ上手いし、どっちかはソフトブロックめっちゃ上手いっしょ? 絶対にそのうちレギュラー入りできるから諦めんなって!」
「…どーしよ、杏樹。うちこの子めっちゃ好き」
「わかる、うちも好きだわこの子。巴ちゃん、今までスカした態度取ってゴメンね。うちら人見知りなもんでさ」
「これからは仲良くしよーね。とりま文化祭の準備からよろしくね」
「…付き合いきれない。もう勝手にしたら」


 雪乃は吐き捨てるようにそう言うと、そのまま布団に潜り込んでそれきり黙り込んでしまった。部屋の中の空気はしぃんと静まりかえって、雪乃と仲がいい持ち上がり組の何人かから私に対して冷たい視線が飛んでくる。お前のせいで雪乃の機嫌を損ねてしまった、そんな非難げな眼に晒されてたじろぐ私を励ますように、沙羅と杏樹が優しく背中を叩いてくれた。


「ビビんなくて大丈夫だよ、小鳩ちゃん。今は鴨井チャンの眼があるから黙ってるだけで、実は仲間に加わりたいって子、結構いると思うし」
「そうそう、あとでこっそり手上げに来ると思うよ。外部組とかは特にじゃない?」
「戸鷹さん…いや、沙羅と杏樹。ありがとう、賛成してくれて」
「「だって面白そうだし」」


 沙羅と杏樹の言う通り、20人いる1年生のうち7人ほどが雪乃がいないところで「文化祭の話なんだけど…」と打ち明けに来た。きっとみんなチームの雰囲気に疑問を抱いてはいたけれど、何も言えずに我慢していたんだ。
 気付かなかっただけで味方はちゃんといる。見えていないだけでちゃんと道はある。だから絶対に大丈夫。
 こうして、巴をエースにするための私のチーム改革が始まった。それは私の人生の中で、最も美しく尊い時間だった。




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