ぱちぱちれんさい | ナノ
 早く来ないかな金曜日



「いやー、アニメ白鳥沢戦始まったな! おめーら喋って動いたな!」


「英太君とか、原作だと初登場が試合中盤だったのに、最初からガンガン登場してたねー」


「いや、それよりも俺はお前の動きにビビったわ…。動く天童ってこんなにもウザいのかと…」


「ひっど! けど、俺けっこう目立ってたよねー! やっぱ白鳥沢戦の第二の主人公は俺ってコトだね!」


「これからますます、ゲスさにも磨きがかかりそうだしな! まー楽しみにしてやんよ! な、小鳩?」


「………」ピクピク


「うわっ、小鳩!? 痙攣してんぞ、大丈夫か!?」


「む、むり…!! 動いて喋ってバレーする牛島くんがかっこよすぎて死ぬ…!!


「一度に過剰な若利君成分を摂取した若利君クラスタの図」


「いったい一夜にして何人の白鳥沢クラスタが呼吸困難に陥ったんだろうな…」








むり…もうむり…白鳥沢みんな良すぎてしんどい…円盤はよ…








「あっはっは! そのフラれ方は可哀想だわ、ご愁傷さまー!」


「てっめえ…! 人の苦い記憶を笑いやがって…!」


「天童、瀬見、なんの話してんの?」


「おっ、巴じゃん。英太君の初恋の話。青くて苦い失恋の話ダヨー」


「お、おい天童! 巴になに言ってんだボケ! 巴、気にすんじゃねえぞ!」


「そういや、巴には初恋の経験とかあんの? お前も生物学上は女なんだし」


(んなっ、天童! お前、なんつー話題を…!)


(いーじゃん、英太君だって気になるっしょー? ま、どーせ『バレーが初恋』とかいうオチだろうけど…)


「初恋なー…。それでいうと、烏養のにーちゃんが近いんかな」


「「はっ?」」


「う、烏養って、強豪時代の烏野の監督か?」


「おう、その孫の方な! ジジイについてって大会の会場とか行くと、烏養のじいさんについてきたにーちゃんがいて、よく相手してもらったんだよなー。にーちゃんが中学上がってからはそうそう会わなくなったから、3歳だか4歳の頃の話だけどな」


「へ、へー…。そんな繋がりがあったんだな…」


「で、なんでそのウカイのにーちゃんが好きになったワケ? 相手してもらったってだけなら、白鳥沢の鍛治君の教え子とかもいるっしょ?」


「白鳥沢の人らは、あたしがジジイの孫だからってめっちゃ気使ってたからなー。烏養のにーちゃんの方が、対等だったって感じがあったんだよな! それと、にーちゃんとは固い約束を交わした仲だったし!」


「約束? ま、まさか『大きくなったらお嫁さんにしてくれ』的なヤツか…!?」


「は? ちげーよ! 大きくなったら、烏養のにーちゃんが烏野、あたしが白鳥沢の監督になって、そしたら春高の県決勝で戦おうって約束! お互いの祖父さんみたいにって! だから、にーちゃんはあたしにとって、ライバルでもあり同胞でもあるってこと!」


「…ほ〜、なるほどね。結局はやっぱりバレーが初恋だってことじゃん」


「まあ、今の話のどこにも初恋要素はないけどな…。でも、巴にとっては大切なことなんだろ」


「ちぇ、面白くねーのー。大会で烏野と当たる時あったら、全力でドシャってやろ」


「自分から聞いておいて、大人げねえなお前…」













「ぶえっくしっ!」


「おや。風邪ですか、烏養君?」


「いや、そういうわけでもねえけど…。それより、なんだって先生?」


「ああ、そうでした! GWに予定している、音駒との練習試合の件なんですけど…」










烏養繋心役の田中一成さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。




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