◎ 戦闘!シラトリザワジムその2
前回のあらすじ
ポケモンマスターを目指す少年、ツトムは相棒ポケモンのガーディと一緒に、打倒ウシジマを目指してシラトリザワシティジムへと挑戦することに。
第一ジムのジムリーダーとの激闘を経て、続く第二ジムへ挑戦するツトム。
果たしてツトムは4つのジムを制し、ウシジマを倒すことができるのだろうか?
「おーす! みらいのチャンピオン! 無事に第一ジムのジムリーダー、巴を倒せたみたいじゃん?」
「あ、天童さん! ええ、俺のガーディがやってくれました!」モフモフ
「バウッ!」フリフリ
「ナルホド〜? でもこの先のジムは、ガーディじゃちょっと厳しいかもな〜」
「ガルッ!?」
「そ、それってどういう意味ですか!?」
「次のジムリーダーはみずタイプのポケモンの使い手! ほのおタイプのガーディとは相性が悪いんだよネ〜」
「なっ、なんですって!? くそっ、せっかくここまで来たのに…!」
「ちょっとちょっと、ポケモンもブロックも先走ったらアウトダヨー? そんな五色とガーディに、優しいセンパイ天童さんがこれをあげよう〜!」
「? これは…きのみですか?」
「それはイトケの実っていって、効果抜群のみずタイプの技を一回だけ半減することができる便利なアイテム! ガーディに持たせておいて、みずタイプの技を喰らう前に食べさせておけば、ワンチャンあるってワケ!」
「そ、そんな凄いアイテムがあるんですね! よーっし、ガーディ! タイプ相性になんか負けるな! 行くぞーっ!」
「ワォーン!」
「え、えぇっと…シラトリザワシティ第二ジムのジムリーダー、空知小鳩です。五色くん、今日はよろしくね」
「俺こそよろしくお願いしますっ! 空知さんが相手ってことは、使うポケモンはミロカロスですか?」
「ううん、五色くんはまだバッジ1個だから、ミロカロスはもうちょっと後だね。今回は、この子でお相手するよ」ポンッ
「シャワー!」
「あれはシャワーズ! けど、ミロカロスでないならまだ勝機はある! 行くぞ、ガーディ!」
「ガルルルル…!」
「どうですか、俺のガーディの『いかく』は! 尻尾を巻いて逃げ出すのも今のうちですよ!」
「あ、あの、ものすごく言いづらいんだけど…。私のシャワーズの攻撃技のほとんどが、とくしゅ攻撃なの…。だから、こうげきが下げられてもあんまり痛くはないんだよね…」
「な、なんですってーっ!? くそっ、ですがそれはお互いゼロからスタートってことですね! ガーディ、先手必勝で行くぞ!」
「バウッ!」
「すばやさなら、シャワーズも負けないよ。シャワーズ、『あまごい』!」
「シャワー!」
「! 雨が降ってきた…! 確か、雨が降っているとほのおタイプの技の威力が下がって、みずタイプの技の威力が上がるんだ…!」
「クゥン…」ジメジメ
「だけど、もとより『ひのこ』は次のバトルにとっておくつもりだった! ガーディ、『にらみつける』!」
「グルルル…!」ギロッ
(なるほど…。威力半減の『ひのこ』を捨てて、『にらみつける』でシャワーズのぼうぎょを下げて、『かみつく』で攻めるつもりなんだ…。やっぱり五色くん、頭も使える良いトレーナーだね)
「ガーディ、そのままいけっ! 『かみつく』!」
「ガウッ!」ガブリッ
「シャワーズ! 『みずでっぽう』!」
「シャワー!」
ドォォォンッ!!!
(きたっ! でもガーディには、イトケの実を持たせている! ここを耐えて、もう一度『かみつく』で攻める!)
「ガーディ、まだ大丈夫だな!?」
「ク…クゥン…」ボロボロ
「が、ガーディ!? そんな、イトケの実を持たせておいたのにどうして!?」
「ごめんね、五色くん…。ガーディにきのみを持たせてたように、私もシャワーズにこれを持たせてたの」
「なっ、それは!?」
「これはみずのジュエルっていって、一度だけみずタイプの技の威力を上げるアイテムなの。『あまごい』で威力の底上げをしていたのもあって、今の『みずでっぽう』は相当な威力になってたはずだよ。…でも、まさかまだ立っていられるとは思わなかったな」
「くそっ…! だからといって、ここで負けるわけにはいかない! ガーディ、今こそ起死回生の一発をかましてやれっ!」
「バウッ!」ダッ
「シャワーズ、もう一回『みずで』…!」
「ウワォーン!」
「シャワッ!?」
ドゴォォォンッ!!!「えっ!? しゃ、シャワーズ!」
「あ、あれ? 『かみつく』じゃない?」
「バウッ!」フリフリ
「シャワーズ! …だめだ、気絶しちゃってる…。ありがとう、よく頑張ってくれたね」
「あ、あの、空知さん! 出した俺が言うのもなんですけど、今の技って…?」
「…もしかしてだけど、『きしかいせい』じゃないかな? 自分の体力が少なければ少ないほど、威力があがるっていう技なんだけど…」
「『きしかいせい』…? あっ、『起死回生の一発』!?」
「バウッ!」
「なんにせよ、私が負けてしまったのは事実だから、バッジを渡さないとね…。はい五色くん、これがシラトリザワシティ第二ジムのジムバッジです!」
「あ、ありがとうございます! ところで、鷲匠さんからもらったバッジにはワシジョウバッジって名前がありましたけど、このバッジにはないんですか?」
「えっ!? あ、あの、あるにはあるんだけど、その…。い、言わなきゃダメかなぁ…?」
「? 名前があるんだったら、ぜひ聞きたいです!」
「…オ……バッジです…」
「え?」
「…オスカルバッジです…。ちなみに命名は沙羅と杏樹…」ズシーン
「あっ…なんかスミマセン…」
「ま、まあ気を取り直して…。次のジムリーダーは、ゴーストタイプのポケモンを使ってくるから、あくタイプの『かみつく』を使えるガーディには有利かもしれないね。逆に、かくとうタイプの『きしかいせい』は効果が無いから、気を付けてね」
「ゴーストタイプ…! 誰が相手でも、勝つのは俺とガーディです!」
「ガーディ、さっきはごめんね。お詫びといってはなんだけど、体力を回復しておくね」
テンテンテテテン♪
「ワォーン!」フリフリ
「よーっし! 次のジムへいくぞ、ガーディ!」
「あっ、ちゃんと前を見て走らないと危ないよ!」
「おー、ここまできたか! 空知ちゃんに勝つとは、なかなかやるじゃないの、工!」
「あれ、天童さん? ここはシラトリザワシティ第三ジムなんですけど…。まさかゴーストタイプの使い手のジムリーダーって、天童さんのことですか!?」
「『おーす! みらいのチャンピオン!』とか『元気しとぉや!』とか言ってるジム前アドバイザーは仮の姿! その正体はシラトリザワシティ第三ジムのジムリーダー、サトリなんダヨー!」
「ってことは、相手はジュペッタですね! 幸い、ガーディに効果抜群になる技は持っていない! ここも勝たせていただきますよ!」
「ガウッ!」
「ふふーん、確かにジュペッタはガーディに対して相性は可もなく不可もなく。とはいえ、俺のジュペッタをあんまり甘く見たら痛い目見るよー?」
「ケケケケッ」
「よーしっ! 勝負です、天童さん!」
もうちょっとだけ続くんじゃ