◎ 芸は身を助く、学もまた然り
「空知ちゃんって如何にもお嬢様って感じだよね」
「えっ? な、なんで?」
「わかる、空知の立ち振る舞いとかすげー丁寧で洗練されてる感するよな」
「え、そう? 別にそんなことないと思うけど…」
「ちなみに小さい頃、習い事とかやってた?」
「一応、ピアノとバレエはちょっとだけやってたけど…」
「うわ、典型的お嬢様だ」
「そ、そんなに? 別に女の子だったら普通なんじゃないの?」
「巴、お前なんか習い事とかやってた?」
「バレーと体操とそろばんやってた」
「ほら見て、同じ女の子でもこの色気の無さ。やっぱ空知ちゃんがお嬢様なんだって」
「蹴るぞテメー! でも小鳩はほんとにお嬢様だよ、中学は聖アンナだし」
「マジで? じゃあマジのお嬢様なんだな」
「どこそこ?」
「この辺で唯一のミッション系の女子校。すごいお嬢様学校で有名なとこだよ」
「あー、飯の前とかたまに十字切ってたのはそれでか」
「え、うそ! ご、ごめん、中学は給食の前とか十字切ってたから、癖になっちゃってて…」
「いや謝ることはないけど。でもそう考えたら若利君と空知ちゃん、お坊ちゃまとお嬢様同士でお似合いなのに、敵が強すぎるのが残念だねー」
「う、牛島くんは関係ないでしょ…! っていうか凹むからそういうこと言わないで…orz」
「マジか、牛島ってお坊ちゃんなんだ!」
「巴、知らなかったのか? おーい若利、お前ちっさい時に習い事とか何やってた?」
「茶道と華道と、あとバイオリンもやっていた」
「すげー、マジのお坊ちゃんじゃん!」
(バ、バイオリンを弾く牛島くん…! 絶対かっこいいぃぃぃぃ…!)
「空知、顔が緩みきってんぞ」
「っていうか、そう言う天童は何か習い事してたの?」
「俺は英会話教室を3日で逃げ出した」
「それ自慢げに言うことじゃねーよ」「古典とかこの世から消えればいいと思わない?」
「す、荒んでるな巴」
「今日、古典の小テストあったみたいで…。巴、どこがわからないの?」
「全部」
「なんでその科目を選択したのよ」
「理数系を選択してたら進級できないからだよ!」
「開き直ってんじゃねーよ」「古典だと今やってるのは『木曽の最期』だっけ? 巴、こういうのは先に現代語訳を見て、ストーリーを覚えちゃえばいいんだよ。古典だって、もとを正せば物語なんだから」
「そっか、なるほど! えーっと、木曽の最期って巴御前が無双する話だよね?」
「大体あってるけど違えよ!!!」「巴ってなんで白鳥沢入れたの?」
出、出た〜www 理数系取ったら留年まっしぐらだから選択科目オール文系奴〜www