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 予告編〜ジョゼと虎と魚たちパロ編〜



※映画『ジョゼと虎と魚たち』のパロディネタです。モロに元ネタ映画のネタバレ要素がある上に元ネタを多少改変しているのでこれから映画見る人は見ちゃダメだよ!私のパロネタなんぞより元ネタの方が百億倍面白いからね!
















真冬の旅行だった。
すっげー寒かったのを覚えてる。

水族館。でも閉まってた。
海。落ちてた貝殻。同じく落ちてた電球。
すげー懐かしいな……。

……えーっと。
あっ、巴はいっつもこのバレーの本を読んでました。
ました、ってことはないか。

……これって、もう、何年前だっけ。





「なぁ。名前、なんていうんだ?」


「…巴」


「え?」


「だから、巴だっつーの」





巴と鷲とカラスたち【予告編】





「なあ、何読んでんの?」ヒョイツ


「あっ、返せ!」


「あれ、月刊バリボーじゃん」


「し、知ってんのか!?」


「…いや、まあ?」



足が不自由で口が悪い、いつかバレーの試合をその眼で観戦することを夢見る少女、巴。
そんな彼女と出会った恋多き元バレー部の大学生、英太。



「ほら、バテんなよ! もっと早く走れって!」


「お前、無理言うなよ…! 部活辞めてから何年経ってると思ってんだ…!」


「もっと早く! あそこのロードワークしてる高校生に負けないぐらい!」


「うわっ、暴れんな…危ねっ!」


ガッシャーンッ!!!


「だっ、大丈夫かっ!?」


「し、死ぬかと思った…あっ」


「どうした?」


「あの雲、持って帰りてえなぁ…」



バレーを通じて心を通わせ、惹かれあっていく2人。



「なあ、目閉じて」


「ん? …はい、閉じた」


「なにが見える?」


「なーんにも。真っ暗」


「そこが昔、あたしがいたとこ。深い深い海の底。あんたに会うために、あたしはそこから泳いできたんだ」


「…」


「あたし、すきだ。あんたも、あんたのすることも、すきだ」



それでも、いつかくる『別れ』。



「帰れ」


「…」


「帰れって言われて帰る奴なんか、帰れ…!」


「…巴」



忘れたい、いとおしい、忘れられない。
あなたの心を揺さぶる、儚くも美しい物語。









巴と鷲とカラスたち

出演:鷲匠巴
   瀬見英太
   空知小鳩
   鷲匠鍛治
   牛島若利

監督:大平獅音
脚本:天童覚
撮影:西谷夕
照明:海信行
録音:白布賢二郎
美術監督:鎌先靖志
音楽:東峰旭


20××年 冬 公開







撮影メイキング


「走りてえ…」


「駄目だよ巴、足が不自由っていう役なんだから」


「でもさ、もう何日も座りっぱなしなんだけど! 足の筋肉なくなる!」


「なくなんねーよ。ってか一応ベッドシーンもあんのに、あんま筋肉ムキムキだと興ざめじゃんか」


「は!? おい天童、聞いてねえぞ!!」


「え〜、言ってなかったっけ〜? まあ、よかったじゃんよ英太君〜。俺が頭捻らせて書いたんだから、ちゃんと熱演してよ」


「おま、ふざけんな…! そういうのは撮影なんかじゃなくてちゃんとだな…!」


「言っとくけど、そのシーンなら大平さんがカットしましたよ」


「うっそぉ!? 俺がすげー頑張って書いたあのシーンを!? まるごと!?」


「あとあの脚本はさすがに引きます。俺らまだ高校生なんですから、もう少しプラトニックな恋愛映画にしないと…」


「お前どんな脚本書いたんだよ…!? まあでもよかった…、さすがに全員に見られながらそんなシーン撮るのはな…」


「はい、休憩終わり! 巴、英太、次のシーン撮るよ」


「うーす…。ちゃっちゃと終わらせてバレーしような、瀬見!」


「お、おう。…まあ、俺は役得だからいいけどな」


「この貸しはデカいからね〜」


「?」








ちなみに管理人が色々改変した『巴と鷲とカラスたち』のストーリー。
足が不自由だがバレーに憧れる巴と、高校でバレーを辞めてしまった大学生の瀬見が出会い、お互い惹かれあう。
しかし巴と出会ったことがきっかけでバレーへの想いを呼び起こされた瀬見は再びバレーに戻るも、巴はその間たった1人で日々を過ごし、唯一の家族の鷲匠監督があぼーんしてしまう。
瀬見はバレーか巴かの選択を迫られ、どちらを選択することもできぬまま巴と一緒に過ごしていく。
果たして瀬見と巴が出した答えとは…的なストーリー。
元ネタの『ジョゼと虎と魚たち』は全然こんな話じゃないし、ベッドシーンも普通にあるし、良い映画なので皆さんぜひ見てください。管理人は1度目は「うーん…」って感じだったけど、2度目に見たときに泣きました!



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