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 文化祭〜お化け屋敷編2〜



前回のあらすじ
限られた暗幕を勝ち取った川西クラスのお化け屋敷に挑む小鳩・瀬見ペアと巴・天童ペア。果たして生還できるのか!? 文化祭ネタだけで30話くらいやりたい。







「えーなになに…。『このクラスの奇妙なジンクスを皆さんはご存知だろうか。今からちょうど10年前の今日、文化祭の日。一人の女子生徒がこの教室で首を吊った。理由は未だに判明していないが、奇しくも女子生徒がいたクラスの出し物はお化け屋敷だったという…。それ以来、女子生徒のいたこのクラスはこの10年間、競争率の激しい暗幕使用権を勝ち得てお化け屋敷を行っている…。まるで女子生徒がお化け役として人々を驚かすのを楽しみにして、このクラスにお化け屋敷をやらせているかのように…』 へー、設定とか結構凝ってんだねー」


「…あれ、このクラスって確か去年もお化け屋敷だったよね」


「え? じゃあこのジンクスは本当ってこと?」


「またまた〜。そうやって盛り上げようとしてんだから〜」


「本当っスよ。自殺した女子生徒がいたのも本当にあったことらしいです」


「「「えっ」」」


「あ、順番来ましたよ。先に瀬見さんと空知さんどうぞ。これ懐中電灯です」


「ま、待て待て太一!! お前とんでもない爆弾落としていきやがったな!!」


「後がつっかえてんだから早く行きなよ、英太君と空知ちゃん〜」


「ちょ、私そういうのほんとに無理なんだって…!!」


「だ、大丈夫だよ小鳩! 少なくとも生還できることは生き証人がいるからわかってるんだし!」


「なんでお化け屋敷で死の危険を感じなきゃならないの!?」


「それじゃあ、いってらっしゃいませー」








「…つっても、なんか意外と普通のお化け屋敷だな」


「本当だね…。なんか『お化け屋敷』って感じのお化け屋敷だ…」


ヌルンッ


「おわっ!? な、なんだ、こんにゃく!?」


「な、なんかステレオタイプなお化け屋敷だね…今時こんにゃくって…」


「こんな感じだったら普通にゴールできそうだな」






トンッ






「わっ!」


「ははは、空知にもこんにゃくか?」


「い、いや、別にぬるっとはしてなかったけど…なんか小突かれたみたいな…」






ギシ…ギシ…






ぷら…ぷら…






「え…あ、足…? なんで足が天井からぶら下がって…」


「ま、まさか…」








うふふふふふふふふふふふ 』ニタァ











「出たーーーーーーーーっ!!!!!」


「」


「空知!? か、固まってる!! お前ビビると動けなくなるタイプか!? っていうか早く動け頭上に首吊り死体とか冗談じゃねえええええええええ!!!」











「な、なんかヤバイ声聞こえるけど…小鳩と瀬見大丈夫かな…」


「おや〜? 脳みそどころから心臓まで筋肉で出来てる巴サン怖いんですか〜?」


「んなっ! 怖くねーし、脳みそと心臓は普通だし!」


「はい、じゃあ天童さんと鷲匠さん、次どうぞ。いってらっしゃい」


「うっしゃあ、さっさと来いや天童! 早く行って隣のアイス屋行くぞ!」


「へいへーい」











「…あの、巴サン?」


「な、なんだよ!」


「なんで俺の後ろ髪掴んでるんデスカ?」


「うっさい、掴みやすいところにある天童の後ろ髪が悪い!」


「あのね、怖いなら怖いって言いなさいよキミ。それから掴むにしてもそこはないだろ、これがほんとの後ろ髪を引かれる思い、ってやかましいわ。オレが後ろ髪からハゲはじめたらどうしてくれんの?」


「そん時はリ◯ップ買ってあげんよ!」


誰が具体的な対応を言えと言ったよ。仕方ないな〜、掴むんならここにしなさい、ここに」


ギュッ


「…腰まわり細っ。ちゃんと食ってんの? 牛島とか獅音を見習えよ」


「…お前って、ほんとムードもへったくれもないのな。やだやだ脳筋ってコワイ〜」


「んなっ!! 今それ関係ないだろーが!! いいから早く歩け、早く明るいところ行きたいんだよ!!」


「なに、お化けじゃなくて暗いのがダメなの?」


「なっ、べ、別に、全然平気だし…!」


「おっと懐中電灯の調子が」カチッ


「わーっ!!」ギュウウウウウ


「…プッ。そんなんなるならお化け屋敷入りたいなんて言うんじゃないよ」カチッ


「う、うっさい! だってこんな暗いなんて思わなかったし、それに怖いのは好きだもん! 必要以上に真っ黒な白鳥沢の暗幕が悪い! いいから早く歩けってばー!」


(リア充爆発しろ)プラーン








小鳩→怖いのが本当に駄目。夜寝る前に思い出しちゃって眠れなくなるタイプ。
巴→怖いのは大好き、だけど暗いのが駄目。家でホラー映画は見れるが映画館では見れない。
瀬見→怖いのは一般的に駄目。ビックリするが後には持ち越さない。
天童→心霊関係は全然平気。ただ「結局、一番怖いのは人間なのよね」的なホラーは怖がる。








番外


「ぎゃあああああああああっ!!!」


「…」


「キャーッ!!! いやー!!! こっちくんなー!!!」


「…」


「ぎゃあーっ!!! 若ちゃん先行かないで待ってぇーーーっ!!!」


「早くしろ」







「怖かった…ほんと怖かった…」


「あの程度でなにを怖がっている。ただ首を吊ってる女子生徒と首の無い男子生徒と、血まみれの赤ん坊を抱いた女教師がいただけだろう」


「えっ?」


「どうした、何をそんなに青ざめている。クレープが食べたいんじゃなかったのか」


「いや待って若ちゃん、私が見たの首吊り死体だけ…ちょっと待って若ちゃん、ねぇ待って一体何を見たの!?







最後のは連載夢主とウシワカ。
連載夢主→うるさいタイプのビビり。熱しやすく冷めやすい。すぐ忘れるがすぐビビる。
ウシワカ→怖がらない、動じない。だが時々シャレにならない霊体験をサラッと言って周りをビビらせる。



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