ぱちぱちれんさい | ナノ
 チカンと暴行、ダメ絶対



電車内


「あれ、女バレじゃん」


「あ、瀬見くん。男バレも練習試合だったの?」


「そうそう、県外の高校まで行ったから疲れたわー」


「うらやましーなー、あたしらも県外の強豪と戦いてー」


「そういうでかい口は新山女子にストレート勝ちできるようになってから言ってくださ〜い」


「天童テメーコロス!!」


「ちょっと巴! ここ電車!」


「ぐぬぬ…降りたら覚えてろよ!」


「そういえば牛島くんは? 大平くんとかもいないし」


「人数が多いから隣の車両! 帰宅ラッシュに重なっちまったかんな」


「そっか…混んでるもんね…」


(露骨に残念そうだな)


(恋する乙女ですから)


「でもこの車両ほとんど女バレだな。なんか女性専用車に乗り込んだ気分になる」


「やっだ〜英太ったらやらしいこと考えてる〜」


「考えてねーよ!」


「ちょっと、一般の人も載ってるんだからしず…」


「? 小鳩?」


「ごめんちょっと隣行くね」


スタスタ…


「お? 若利君でも見かけた?」


「いや、若利がいるのはあっちの車両じゃないぞ。…あ、もしかして…」


「おい天童なにナチュラルにあたしの足踏んでんだよ!」










「…」プルプル


「げへへへへ」サワサワ


(うぅ…あっという間に隣の車両に追いやられたと思ったらただただ脚を触られてる…逃げようにもこの混み具合じゃ逃げられないし…どうしよう…)


「ハァハァ、お嬢ちゃんバレーボールやってる? いい脚してるね…」サワサワ


(こ、殺したい…誰か助けて…!)






グイッ


「 へ?」


ドンッ


「大丈夫?」


「え…空知先輩!?」


「ごめん、気付くの遅れて。次の駅で降りよう」


(ひぎゃああああああああ!!! あの空知先輩に、空知先輩に壁ドンされてるぅぅぅぅぅぅぅ!!! 全身で私を守ってくれているううううううううう!!! 今すぐ写真とムービー撮りたい!!! 痴漢!? なにそれおいしいの!? それより空知先輩の壁ドンんんんんん!!!)


「ちっ」スタスタ


ドンッ!!!ミシッ


「おいハゲちょっとツラ貸せよ」ビキビキ


「」


「巴の壁ドンいっけめーん」


「馬鹿なこと言ってないで早く駅員呼んでこいよ!!」











「そういうことがあったなら早く呼べ、何かあったらどうする」


「そ、そうだよな…悪い若利」


「ぶっちゃけ空知ちゃんと巴で事足りたと思うけど」


「ん? ついにあの二人が女の子だってことも忘れたかな? 馬鹿なのかな?」


「いだだだだだだだ!!! 獅音それはマジやめて頭グリグリはほんと死ぬから!!!」


「空知と鷲匠も、駅員か俺たちを呼ぶなりしろ。相手が凶器を持っていたらどうする気だ」


「す、すみません…」


「小鳩は悪くねーべ。後輩守るのは先輩として当然のこと! さすがに歯9本はやりすぎました、次は5本折るくらいで勘弁します」


「反省してねーだろお前!!」


「でもほんと、怪我でもしたら大会近いのに危ないでしょ。すぐそこに俺らいたんだから、助けを求めるべき時は求める。わかった?」


「大平くんの言う通りです、本当にごめんなさい…。ほら巴、ちゃんと謝って」


「あーしまった!!! 股間潰すの忘れてた!!!」


「巴、ちゃんと牛島くん達の話聞いてた?」








この後、白鳥沢の女子達の間で小鳩の壁ドン画像が出回った。なおそれを待ち受けにした携帯電話を寝る前に枕の下に置いておくと、夢の中で小鳩に壁ドンしてもらえるという都市伝説まであった模様。



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