【達海の部屋と椿くん】

「お、お邪魔します」
「どーぞ」

物にあふれたわけではないのに散らかっている達海の部屋。その一角に座れそうなスペースを見つけて、達海はそこに椿を座らせる。
そしてテレビを付けて、達海は次の相手の映像をもくもくと見はじめた。
くたりと体の力を抜く達海とは対照的に、がちがちに固まる椿。そのまま過ごしていると、少ししてから達海が椿を見つめる。

「椿、緊張しすぎ。そんなに固くなられちゃ俺もゆっくり出来ないじゃん」
「は、はい、すみませんー!」
「あーいいよいいよ謝んなくて」

おいで、と手招きする達海の隣にびくびくしながらも椿が座ると、椿の肩に達海が頭をのせた。

「部屋に入れたってことは、それなりにくっついていいってことだからね。したいことしていーよ、椿」
「ええ……っ」

ワーワーと画面から聞こえる歓声も、全く椿の耳には入らない。
冷えてうまく動かない手を開いて、椿は目を閉じた。

「じゃあ、手、繋いでいいッスか……?」
「……そんなのでいいの」

驚いたような達海の声にこくりと頷くと、あたたかい手の平が椿の手に絡む。
思わず顔を赤くし目を開けた椿に、達海も照れたように笑った。

「ほんと面白いなー…。にひ、好き。椿」




end


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