俺が椿の歳の時は、間違いなくこんなオッサンに興味なかったなあ。
ゆるやかな愛撫をされながら、少しずつ息を荒げて達海は言った。

「椿、……趣味、悪ィの」
「……も、喋らないでください」
「ぁ、……あッ」

ぐち、と身体の奥の方で湿った音がして、達海は小さく声を上げる。
わざとイイところを刺激してきた椿に、負けないように彼を煽った。

「っ、…にひ、喋れなくしてみろ」
「達海さん、あんまり……っ」
「だからぁ」

いいから椿、もっとして。
甘く囁くと、面白いぐらいに椿は反応する。
身体の中に入れられた椿の指がびくりと震えて、連動するように達海も腰を揺らした。

「痛くない、すか」

恐る恐る身体の中をまさぐっていた椿の指が大胆になって、気持ちいいところをくすぐる。
あは、と笑いながら達海は椿の頭を抱いた。

「ん、ん、そこっ…、椿…っ、は、きもちい」
「たつみさん、……熱い」

椿がごくりと唾を飲む気配がして、達海は腕の力を緩める。

「は、椿……入れたい?」

視線を合わせてそう言うと、椿は頷いた。
タチが悪いのはわかっていても、こんな風に必死な椿の顔を見るのが好きで、ついつい煽ってしまう。
(やな大人だ)
それでもやめられない。愛しさ故だ、と心の中で言い訳をした悪い顔で椿にキスをして、「いいよ」と呟いた。

「おいで、椿」

次の瞬間、指なんて比べものにならない質量が、ず、と身体の中に入ってくる。
(熱い、デカい、痛い)
この時ばかりは達海も余裕ぶることができず、目をぎゅっとつむって衝撃をやりすごした。
は、は、と浅い息を繰り返して椿の身体に触れると、面白いぐらいに反応した椿が達海を揺さぶり始める。
待って、まだ痛い。
そんな声は届かないらしく、目をギラつかせた椿が達海を射た。
その表情に、達海の背がぞくりと震える。

「あ、ぁ、ぁ、椿ッ、くぅっ」
「達海、さんっ、ぁ、達海さっ」
「く、ひっ…、痛っ、ァ、あぁッ」

すみませんと時折謝る椿に、「痛いよばか」と笑いながら達海は椿の背中に手を回す。
まだまだ荒く、自分の快感に抗えない椿には達海の身体を思う余裕がないようだった。
がつがつと達海の身体を突き上げ気持ちよさそうに息を吐いては、それしか知らないように達海の名前を呼ぶ。
(……椿、可愛い)
痛いはずの行為さえ不思議と気持ちよく、達海は身体の熱を逃がそうと甘い声を出した。

「その声…、反則っす」

やめてください、と呟く椿に思わず笑う。
出させてるのはお前だ、そんなメッセージを込めて軽く背中に爪を立ててやって。

「じゃあ、キスしてれば?」
「……ッ!」

かあっと赤くなった椿の顔が近付いてきて、達海はますます笑みを深くした。
椿のその顔、好きだ。
囁こうとした言葉は、椿の唇に封じられて声になることはなかったけれど。





end

嘘月様、ありがとうございました!
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