うっすらと汗をかいた達海の背中。
なるべく体重をかけないように後ろから達海と密着し、息を整えていたジーノがもう一度上体を起こす。ゆっくりとした動作ではあったが、まだ繋がったままの身体。
達海は「ん」と小さく声を出し、首を捻って背後のジーノを睨んだ。

「……もうやんない」

するとジーノは、するりと達海の足を撫でる。

「僕はまだ、シたいんだけど」
「俺のトシ考えろってば、もうやんねー……、っ、おいっ」

少し掠れた声で達海が制止すると、動こうとしていたジーノがくすりと笑った。

「気持ちよくするから」
「いらねえって」

甘い空気は何処へやら。めんどくさいめんどくさいと呟く達海にもう一度ぴとりとくっつき、ため息を吐くジーノ。

「気持ちよくするって言ってるのに……僕がこんなに誰かに尽くすなんて、普段なら有り得ないんだけどな」

君は特別だよ。そんなことを言いながら肩にキスを落とすジーノは、もう一度達海に甘く囁いた。

「大好き。愛してるよタッツミー」
「はいはい、俺もだよダーリン」

疲れた、とまだぐったりしながら、達海がそう返すと、ジーノは満足げな顔をする。

「うん、じゃあもう一度」
「却下」
「わがままだなあ……」

すぐに冷たい声に遮られ、ジーノは達海の右手を上から包む。
あたたかい達海の手を開かせ、指を絡めるとようやく達海が横顔でニッと笑った。

「そりゃわがままに決まってんだろ。お前が王子なら、俺は王様だ」

その言葉にジーノは目を丸くしてから微笑む。

「……なるほど。僕がつくしたくなるなんて不思議だと思っていたんだ。君が素敵な王様だからだね」
「気付くのおせー……っ、だから、やんないって、く、ぅ」

さりげなく達海の腰を上げさせたジーノが、達海の下半身へ手を伸ばした。
茂みを撫でて、中心のそれに触れる。

「やっぱりシようか、気持ちよくなりたい。君……貴方と」
「……っ、ア、……もう……この馬鹿っ……」

もう止まらないくせに、と掠れた声で言い、達海はジーノを振り返った。じわりと涙が浮かぶ目がジーノを睨みつける。

「痛くしたら、怒るかんな……」
「……ああもう、あんまり煽らないで欲しいんだけど、…っ」

ぐ、と腰を動かすと達海は枕に顔を押し付けた。嫌だ嫌だと言いながらも、結局は甘い達海にジーノの頬がゆるむ。

「……泣かせちゃったらごめんね、ハニー」

ジーノが言うと、くぐもった声の達海が、言ってろ、と呟いた。





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