※高校生×大学生パラレル









僕には年上の恋人がいる。彼は大学生で、今は遠距離恋愛中。僕は彼を、タッツミーと呼んでいる。
高校は一緒だったけれど、二つ歳が離れているから毎日会えたのはたった一年だけ。
一年生の時、三年生の彼に出会って恋をして、今もこうして続いていた。
自分で言うのもなんだけれど僕はモテるし飽きっぽい。それでも彼には飽きなかった。
もうこれは運命の人だと思わざるをえないんだけれど、鈍感な彼はどう思っているやら。
(態度で示さないとわかってくれない人だからね……)
そこも可愛いんだけれど。
そんなことを考えながら、部屋の窓から外を眺めて携帯の通話ボタンを押すと、彼に繋がる。早くも喜びに口がにやけた。

「……もしもし、タッツミー?」
『…あ…ああ、ジーノか。どうだった?その、……』
「うん、受かったよ?」
『はあ?じゃあこんな待たすなよなー…てっきり……あーあ、お前ほんとマイペースなんだから……』

あからさまにため息をつくタッツミー。声からその表情までわかるようだけれど、これは明らかに僕が悪い。合格発表から一週間、彼に連絡を入れていなかったのだから。

「ごめんね、ちょっといろいろ片付けてた。……でもこれで、春からは一緒にいられる」

僕が合格したのは、彼が通っている大学だった。最初から、合格して一緒に暮らそうと何度も何度も言っていたけれど、こうして現実になると照れ臭いよう。受話器の向こうのタッツミーは、なにやらもごもごと言っていた。聞こえないよと言うと『うるさい』と叱られる。

『だからって、……こんなに待たせたことは許さねーからな。俺がどんだけ心配したと思ってんの』
「ごめんね、ふふ」
『……はやく謝りに来い』
「了解。……愛してるよ、タッツミー」

(……好きだなあ)
彼を抱きしめているような気持ちでいうと、電波の向こうからガタガタと音がした。

「なに?大丈夫?」
『……お前が急にそんなこと言うからびっくりして落としただけ、合格おめでとう!』
「あり……あれ?あれ……タッツミー?」

プツッと勢いよく切れた通話に思わず笑う。
細かなスケジュールを聞かなきゃならないから、結局再度電話をしなければならない。そうすると恥ずかしいのはタッツミーなのに。
(ああ、いい天気だ)
気付けば、窓の外の空は知らないうちに春の気配。この空をタッツミーと並んで見たいなあと思いながらもう一度思いを飛ばした。
相変わらず、照れ隠しが下手な彼に。

「ふふ、……もしもし、タッツミー?」

僕らの春はすぐそこみたいだ。





end

【ついったリク、高校生×大学生】
キュリーさんありがとうございました!
それと、全国の受験生応援&お疲れ様も兼ねて。
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