はぴいざ!!2 | ナノ





kiss kiss kiss!

『はぴいざ!!』 賛同作品その2。シズイザ。毎度おなじみキス話
















かぷりと唇を軽く食まれて。
臨也は困ったなぁと苦笑した。
先ほどからずっと。
それこそ30分近くの間。
臨也は静雄の膝に乗せられて、キスをされ続けている。
深く、官能を呼び覚ますようなそれではなく、ただ柔らかく啄んで、時折舐めたり噛んだりして。
そうやって、ずっと、言葉もなく続けられるキスは、嫌ではないがそれ故に困ってしまう。
これ絶対唇腫れそうだなぁとぼんやり考えながら、小さく息を吐いた。

「…シズちゃん、そろそろ止めない?」
「………」
「しーずちゃん、ん…」

静雄の唇がわずかに離れた隙に言うが、無視してまた口づけられる。
ちゅ、ちゅっと音を立てて数度。
飽きることがないかのように。
「は、…ホント、なんなの君」
文句が零れる濡れた唇を今度は指で撫でて、妙に満足げに静雄の頬が緩められた。

「なぁノミ蟲」
「………なにかな」

こういう時までその呼び方はどうなんだ。と、若干機嫌を下降させつつ応じる臨也の額にキスを落として。

「俺は、手前とするキスは好きだ」
「…へぇ」

でも君、俺以外とキスしたことないだろ。
囁くような音で言われた言葉にそうからかおうとしたが、その前にまた唇を塞がれる。
「ん、っ」
合わせるだけのそれではなく、今度は舌が侵入してきて絡めとられてしまう。
長い、じんと頭の奥が痺れて下肢に重い熱が溜まるようなキスの後。
宥めるように背を撫でる手に、臨也は困ったなぁとまた思った。
嫌ではないから、本当に困る。
甘やかしているのか、甘やかされているのか。曖昧なまま、こうやって繰り返される接触が存外心地良くて。
何もかも投げ出して、望まれるまま身を任せてしまいたくなるのだから。
ぼんやりと思考に耽る臨也の顎をすくって、静雄がまた顔を寄せてきた。
そのまま唇が触れ合うほどの距離で動きを止めて。

「臨也」
「ん……な、に」
「好きだ」

低い、臨也の気に入りの声が紡ぐ告白。

…こいつ実は俺の心臓を止める気なんじゃないだろうか。
そんな馬鹿なことを考えて。
ああ困ったと小さく溜息をついた臨也は、答えの代わりに自分の唇を静雄のそれに押し付けた。














※ちゅうしてるだけのはなし。

ところでこんな短い話で何回唇って書いたんだろうな自分。


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