まわりは敵だらけです
※匿名さまリクエスト「シズイザ来神時代で、妹達に良いように遊ばれている(or遊び飽きられて放置中の)臨也に遭遇する静雄」
シズイザですが、前半九舞臨で若干R指定気味な表現が含まれます。苦手な方はご注意を。ちょっと下げておきます。
先に謝っておきます。臨也さんで遊びすぎました!いろいろすみません!!
子供と侮るなかれ。
最近の小学生がどうだかとかはこの際置いておいてもいい。
だが、こいつらに関しては侮るべきでない。
それを失念していた自分を、折原臨也(18歳)は心底呪いたい気分だった。
「…っ」
身じろぐと、鉄パイプと手首のそれが擦れて金属音を立てる。
いい加減腕も痺れていて、感覚自体が酷く鈍くなり始めていた。
「イザ兄元気ー?」
「そんな訳ないだろ。外せよ、これ」
「だーめ」
「否」
なにやら鞄を持って戻って来たらしい双子を睨んでも無意味だ。
軽く返る返事が恨めしい。
「くそ、なんだってんだ。っていうか、これシズちゃんに見つかったら俺やばいんじゃないか」
いろんな意味で。と呟く声に覇気はない。
恒例の静雄との追いかけっこを切り抜けて、学校の裏手で休憩していた時。
何故か舞流と九瑠璃がやって来た。
じゃれつく双子になんでここにいるんだと思って首を傾げる間もなく、かしゃりと音がして。
片手が手錠に繋がれていた。
何でそんなもん持ってるんだとこれまたのんきに首を傾げて問おうとしたのがいけなかった。
ぐいと(子供の力だ。大したものではなかった)押されて僅かによろけて背をついた先には何かの配管があって、油断していた臨也はあっさりそこに拘束されてしまっていた。
「お前ら、馬鹿なことしてないでこれ外してさっさと帰って宿題でもしてろ」
ご丁寧に二重に掛けられら手錠は両手を後ろ手に拘束している。
自力で逃れるのは難しそうだった。
「ダメだよイザ兄。これから一緒に遊ぶんだから!」
「…遊…」
いやいや意味分からないし。
そう思いたいし言いたいが、悲しいかな。臨也は何度かこういう目に合っていたので何をされるのかは予想できてしまっていた。
一緒にじゃないだろっ、一方的に遊ぶ気だろ!?
叫びたいが、下手に叫ぶと天敵に見つかるのでそれも叶わない。状況は最悪だった。
「今日こそ最後までしようね!」
「遂」
笑えない!それ笑えないから!!
ひく、と臨也は顔を引き攣らせて、無駄だと分かりつつ双子から逃れようと身を捩る。
最近この妹たちは何故か臨也の身体に甚く興味をもったらしく、執拗に狙われ続けていた。
今までは辛くもギリギリで逃げることに成功しているが、一度など寝込みを襲われて必死で新羅の家に逃げ込む羽目になったこともある。
一番の問題は――
「大丈夫だよイザ兄!今日はちゃんとローションも用意してきてあげたから!」
この妹たちが興味が臨也の性感帯開発にある、ということだ。
ごそりと鞄から取り出されたのは、液体の入った容器とついでに非常にこういう場面で見たくないグロテスクな玩具。
本当に笑えない事態に臨也は青ざめる。
何を何処でどう聞きかじってそんなことに興味を持ったのかは知らないし知りたくもないが、いくらなんでも小学生に弄り回されて感じる変態にはなりたくない。止めろ嫌だと言って聞く相手でないから、突破口を求めて視線を彷徨わせるしかなかった。
だが、それもすぐに中断せざるを得なくなる。
「ちょ、舞流!?やめっ」
シャツが捲くり上げられて、小さな手が胸に触れる。
くっと小さく呻いて、辛うじて声を漏らすのを堪える臨也に双子は楽しそうに笑い合う。
ああもう色々最悪だ。
「ひ、ぅ…っ」
そっと抱きつくように首に腕を回した九瑠璃が耳を舐めた。
ビクリと大きく身体が揺れる。
「や、めっ…」
その間も舞流の手は肌を辿っていて、触れられることに馴染んだ身体は無意識に快楽を拾っていく。
ああもう死んでしまいたい気分だ!
そう思っても残念ながらこの拘束された身体では自殺はおろか逃げることも叶わなかった。
「は、……ぅ、や、だ…ッ」
「イザ兄かわいーね」
「肯」
舞流の問いに、とろりと潤み始めた赤の端に浮かんだ雫を舐め取って、九瑠璃が小さく頷く。
「お、まえら…っ、さすがに洒落にならないっ、から!」
「シャレじゃないよー?」
本気だと無邪気に笑われて、やばい逃げないと本気で掘られる、と危機感が募った。
が、物理的に逃げようのない身体は快楽に従順で。
二人の手があちこち弄り回しながら次第に下に下がっていくつれて、臨也の思考は纏まらなくなっていく。
「…ぅ…ん」
「イザ兄気持ちよさそう」
「…肯…」
くたりと力を抜いて抵抗のなくなった臨也に、双子がベルトに手を掛けて―――
その時、
「…何やってるんだ、お前ら」
そう声が掛けられた。
「あ、静雄さん!」
「…し、ず…ちゃん?」
唖然と折原兄妹を見る静雄の目が瞬く。
まずぐったりと身体を投げ出した臨也に目をやって、次にその肌に手を掛けたままの双子を見やって、また臨也に視線を戻した。
戸惑うように揺れていた視線が、僅かに剣呑な色を帯びる。
「あー…お前ら、俺、そいつに用があるんだけど」
借りていっていいかと問う静雄に、舞流と九瑠璃が顔を見合わせる。
二人はアイコンタクトのようなものを取り合い、頷いて。
「んー…残念だけど静雄さんがそう言うなら今日はここまでだね!イザ兄さん良かったね!静雄さんが続きしてくれるよ!」
「…諦…」
「…ふっ、ぅ」
名残惜しげに肌を撫でられて、臨也が息を漏らす。
「じゃあね静雄さん!」
「再」
「おう、またな」
手を振って走り去る双子を見送って。
静雄は改めて臨也に視線を向け、深々と溜息をついた。
臨也はまだ煽られた熱を逃がせず浅く早い呼吸を繰り返している。
「しずちゃん、これ、はずして」
「ん?…って、手錠かよマニアックだな」
「…俺の、趣味じゃないからね…言っとくけど」
バキリと手錠を壊して外してやれば、まだとろりと潤んだままの目が静雄を見た。
は、と苦しそうに息を吐き出す。
「大丈夫か?」
「大丈夫に、見える…?」
「いや…」
ずるずると倒れそうになる身体を抱き起こされ。
臨也は敏感になった肌に触れる指に背を震わせた。
「ん、っく…」
小さく漏れた喘ぎに、静雄の動きが一瞬止まった。
そして、深い溜息がつかれる。
「手前な」
呆れたような声だ。
それに臨也はムッとする。
「誰の、せ…いだと、思ってるんだよ…」
「あ?」
「君が、俺をこんなにしたんだって、分かってるわけ?」
そう言って、臨也は感じやすい身体になった原因を睨んだ。
燻る熱が頭の回転を鈍らせている自覚はない。
だから、それが煽り文句になる可能性など一欠けらも考えていなかったのだ。
「あー…じゃあ」
きっちり煽られていると受け取った静雄がにやりと口角を吊り上げる。
「こんなにした責任、とってやるよ」
あ、と思った時には既に遅く。
ひょいと肩に担ぎ上げられて、シャツの隙間から侵入した手に背を撫でられて。
臨也は痺れた腕に噛み付いて喘ぎを堪える。
ああもう本当に最悪だ。
いまだ快楽に囚われたままの思考で、再度臨也は自分の愚かさを呪った。
※いろいろ迂闊な臨也さんの話。
ほとんど舞九臨だった…。この頃まだ小学生だし普通の悪戯でも良いかなぁとも思ったのですが…いや、つい…。
いろいろ趣味を詰め込んだ結果がこれ…本当にいろいろすみません。
リクエストありがとうございました!
書き直し要請いつでも受け付けますので!!
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