翌日。雨。驟雨。打ちつけるような雨粒のコーラス。そんな日に、ファイは運悪く傘も持たずに買い物に出ていた。
突然勢いよく振り出した雨。この世界に来て初めての雨だった。ファイは何もできずにびしょびしょ濡れてしまった。しかし、自分はぬれてもいいが、買ったものまで濡れてしまうとまずい事になる。今日の夕食が台無しだ。

せめてこの雨が止むまで、雨宿りしたい。ふと、ファイの脳裏に浮かんだのが『あの』泉だ。あそこにあるのは泉だけじゃない。

傍には巨大な大木。生い茂る葉。重なって、影になる。その影の下に、少し大きめの岩があったことも思い出した。いつか天気のいい日に、息抜き序でに皆で遊びに来ようと思ったこともあった。絶好の雨宿りスポット。気づけば、足は勝手にそちらに向かっていた。

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