あな









ああ、私はどうすればいいのだろう。

ああ、何故、私の手は真っ赤に染まっているのだろう。




心にあながあいたようだ。
あな、と言っても、
まるで、暗い暗い洞窟みたいなものだ。
未だかつて誰も入らず、気付きもしていなかった、あな。



《誰かいるのかい?》


返事は勿論ない。


《いないのか…。なら、新たに作ろうか。》





またひとつ、あな、が増えた。

心は、
黒くなり、暖かさが消え、
枯れて朽ちて風にさらわれ、

いなくなった。





とくん、どくん。



真っ赤な、
心の叫びがきこえた。





何故、この人は真っ赤なんだろう。

何故、心が絞め殺されそうなのだろう。



何故、

こんなにもあなたが愛おしく、憎いのだろう。





 











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