眠らせて









眠れ、眠れ

そう言わずにはいられない、日々
だって、眠れない 眠りたいのに何かに遮られる

ああ、愛しの眠りよ
どうか私を眠らせて そして、起こさないで 毒を盛られても良いわ それで眠れるのなら


絵本を読みつつ、羨ましいわ、白雪姫
王子様の口づけは要らないけれど、眠らせてくれる人がいるなんて
毒林檎
私にも持って来ないかしら 


私は催眠術にかかりにくいんですって そんなんだったら、眠れないじゃない 困ったものね 睡眠薬も駄目みたい


だったら、眼を疲れさせましょう 本を読んだり、仕事をしたり

――だけど、眠れない



眠れ、眠れ 我みて眠れ



あら不思議

眠れたわ




眠る前、最後に感じたのは
手についたぬるい液体

眠る前、最後に見たのは
赤い床と笑みを浮かべる知らない人




ああ、やっと眠れた




 












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