──舞い降りた兎は、一体何を齎すのか。
壱 とまどう
(静かな森の中で、赤い風に出会う。)
弐 いやがる
(うしろのしょうめん、だあれ?)
参 そめる
(紅蓮の虎と黄昏色の傾奇者。)
肆 いぬく
(隻眼の竜とその右眼と。)
伍 おちる
(まっくろな雪が降ってきた。)
陸 おもう
(阿修羅のような彼は笑う。)
漆 おびえる
(無邪気で残酷な、可愛い子供。)
捌 いたわる
(赤い雨に怯えるのは異常ではないのです。)
玖 うれう
(太陽のようなひと、海のようなひと。)
拾 くやむ
(無力を咎めない人と、無力な私を欲する人。)
拾壱ふるえる
(心か、命か。正解なんて、きっと誰にもわからない。)