Disapper tear

 凍てついたアメジストは





「知り合いなのか? ディムロス?」
『いにしえの戦争の時の仲間だ。』
「って事はあの喋る剣もソーディアン? リオンはソーディアン使いなのか…強いはずだよ。」
スタンが目を丸くして手の中に握られているディムロスに話しかけた。
そんな彼に律儀に返答したディムロスの声に、スタンは唇を尖らせて拗ねたような表情を作る。



「ねえ、同じソーディアン使いなら見逃してくんない? アリアも…ダメ?」
『だーめ。僕のマスターのリオン坊ちゃんはとっても偉いんだ。逆らえっこないよ。なにしろセインガルド王国の客員剣士でさ、次期七将軍の最有力候補なんだから。』
「そーいう事。ごめん、ルーティ。」
隣で両腕を縛られたルーティが愛想笑いを浮かべると、リオンはふん、と鼻を鳴らした。シャルティエのコアクリスタルがチカチカと光る。
申し訳ない気持ちでいっぱいなアリアが苦い笑いを貼り付けると、ルーティは「あーあ」と肩を竦めた。



「罪人の行きつく先はひとつだ。ダリルシェイドに護送しろ。」
「はっ!」
命令通りにスタンたちは兵に囲まれ、ダリルシェイドに護送されることになる。





運命の歯車は回り始めた。
未来の英雄は、太陽の少女に出会った。

青年達が背徳の黒に連れられて月光の少年に出会う時、


運命の歯車は、急ぐように回り始める。

 


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