leprotto

■ 折られた膝


「じゃあ骸さんは……ボンゴレ九代目があれに入ってるって、知ってたんらな。」
「……たぶん。」

和泉は黒曜ランド内の広間にいた。
髑髏は自信なさげに頷き、手に持っている三叉槍を握りしめる。


「で……骸様からは?」
「まったく反応がないの…そっぽ向いてるみたいに……」
「なんだそれ!?」

千種の声に首を振り、髑髏は俯いた。
小さく呟かれた声に犬が眉を顰め、不満を露わにする。



「骸さんと連絡とれないなら、お前ますますいる意味ねーびょん!!」
「……ごめん。」
彼女を見れば気にした風もなく、視線を落として謝罪の言葉を口にした。そのまま彼女はボストンバックの中身を確認する。



「許すかバーカ!」
「私…行くね。」

ごそごそと荷物を用意し始める彼女はじっと和泉を見た。視線の意味するところが理解出来た和泉は、頷いて笑顔を返す。

それに頷いて、彼女は出口に向かった。



「並中…?」
「うん。招集されてるの。」

リングを手に髑髏は退室し、そのまま並中へ向かったようだ。
彼女がいなくなったところで、犬と千種がぐるりとこちらを向いた。


「…どうしました?」
「和泉も行くんでしょ?」
「はい。」
「絶対気をつけるびょん!!」
「はい、そうします。」


「「はぁ。」」
「?」

二人の声に返答すると、同時に深い溜め息をつかれてしまう。それに首を傾げつつも和泉は自身の学生鞄を持ち、出口に向かった。




「行ってきます。」

精一杯の笑顔を見せて、和泉はドアを開ける。
暗くなった空が、妙に綺麗に見えた。


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