▽銀高。彼女持ちと浮気相手。



 がちゃん、と大きな音を立てて玄関の扉が閉まった。ああ帰っていったのだと、睡魔が訪れぼんやりとし始めた頭で思う。何時もの事なのだ。夜に此の部屋で逢って、キスをして、そのまま朝までセックス。終わると銀時はさっさと服を着て去って行ってしまう。行き先は多分、あいつの自宅。たぶんと言うのは俺があいつの家を知らないからだ。見た事も無ければ住所を聞いた事もない。もしかすると彼女か嫁がいる家に帰るのかもしれない。だが俺にとってそんな事はどうでもよくて。何処に行こうが帰ろうが、俺はただ此処であいつとセックスが出来れば良い。後腐れ無さそうな関係でいいじゃねぇか。
 こうして毎度毎度情事後さっさと帰りやがるのだが寂しさなんか無くて、残るのは気だるさとナカに注がれた白濁のそれ。早く処理をしねえと腹を壊す。そう頭では理解しているのだが面倒なので後回し。目蓋を上げておくのも限界だ、一眠りしよう。あいつが居ない此の広い部屋のベッドで俺は今日も眠りにつく。



いない


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