四天宝寺の1年


現在新幹線内

「聖哉!!それちょーだいや」
「金ちゃん静かにしい!」
「お前もや白石」

まず、言っていいか?

金ちゃんって誰やねん

いや、この赤髪豹柄タンクトップの少年やっちゅう事はわかる

「光…」
「ああ、俺の後輩の遠山ゴンタクレや」
「あきらか名前はゴンタクレじゃないよな?」
「金太郎や!!」
「だから、金ちゃんね」
「金太郎。そろそろ大人しくしとかんと」
「なんでや?」

「き・ん・ちゃ・ん」

「し、白石…」

明らかに怯えている金ちゃん
対して白石さんは黒い笑みを浮かべて
腕に巻かれた包帯をほどこうとしている

「ど、毒手はいやや…」
「じゃあ、静かにしときいや」
「あ、当たり前や!!!」

「なあ…光」
「なんや聖哉」
「毒手…って?」
「…金太郎を抑えるために流した噂や」
「ウワサ?」

各種毒草・毒薬・毒虫を配合して入れた瓶を拳で突き、長い年月をかけて徐々にその毒を増強していくことで完成する。そしてその拳はかすり傷一つ与えるだけでそこから毒が侵入し、やがて相手を死に至らしめるという

「ちゅう奴を部長が手にしているちゅう話」
「で、金太郎君はそれを信じたっていうこと?」
「そういうことや」

現に金ちゃんは怯えきっており
白石さんは呆れたようなため息をついていた

「なんか、素晴らしいゴンタクレだな」
「近所の中学、高校をしめとるくらいや」
「しめっ!?」
「すごいねぇ〜」

聖華がのん気すぎて困る




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