短編 | ナノ
精羅side
俺は精市に『神の祝福』『奇跡』の花言葉と共に青い薔薇を贈った
だが、精市はその意味を真逆に取ってしまった
『不可能』『あり得ない』の意味に
「せーらー!またな!」
「おう!」
友人と別れ駅へと急ぐ
駅まで後少しの所だった
新しいビル群の中に建設中のビルがあった
「(最近ビルが多く建つな…)」
「きゃぁぁぁぁああああ!!!!!!」
「えっ...」
横断歩道で立ち止まり空を見上げた
空から鉄柱が落ちてきた
それは、俺の体を貫き俺を地面に縛り付ける
周りから悲鳴が聞こえる
息をするのがつらい
神よ
これが、精市を助けるために必要となるのなら
俺は受けてやる
だから、助けてやってくれ
「お...れの......とうと...を...」
俺の最愛の弟を...どうか
だから、精市
悲しい顔、すんなよな
ごめんな、精市
(泣くなよ)
声に鳴らずに消えていった
← →
戻