マサ蘭
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今日は狩屋と出かけるはずだった。しかし天気は雨。気分も上がらないし、狩屋とのお出かけも中止。結構前から出かける約束をしていて楽しみにしていたのに。

「なーんで降るのかなあ…」

1人、部屋でぽつりと吐き出す。雨で曇った窓ガラスに、つまらない。と落書きしてみる。
この日のために服も買ったし、いろいろ準備していた。だって久々のお出かけ、いや、デートだったのだから。
携帯を開き先ほど来たメールを読み直してみる。

『今日は雨降ってるんで中止にしましょう』

別に雨が降っていたって狩屋と一緒なら…。
頭をぶんぶんを振り、女々しい考えをはらう。
はぁ、とため息をつき、なんとなく布団に顔を埋めた。晴れていたなら今頃。ああ、やめよう考えるのはよそう。

目をこすり、携帯を開く。14時だ。お昼も食べないで寝てしまったらしい。
ちらり、と窓に目をやると晴れていた。
なんで今頃なんだ!と、ちょっと腹がたつ。
暇だしぶらぶら外でも歩くかーと何時もコンビニに行く時に着るジャージに腕を通した。

「あ」

「先輩?」

家をでて、少しした所で偶然狩屋に会う。なんだなんだ?
出かけるのか?と聞くと狩屋は俺の手を握り迎えに来たんですとか言い出す。
迎え?なんで?
俺の頭の上にはクエスチョンマーク。

「雨やんだんで、先輩を迎えに来たんです」

所謂ドッキリです。と付け足す狩屋。
だったら家で大人しくしていればよかった。よりによってジャージ姿を見られるとは…。

「今からデートしましょう、先輩」

手を目の前に差し出される。
もうジャージでもいいか。狩屋と一緒なら。
そう思い、頭の端にあった新しく買った服の事を追い払った。

(俺と彼と雨と服)

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