マサ蘭♀
※高校生で霧野先輩が妊娠する話です。
苦手な方はみないほうがよろしいかと。
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2人で暮らすにはちょっと狭い家に俺と霧野先輩は住んでいる。
雨漏りすげーし、ベッドじゃなくて布団が敷いてある部屋。台所なんて本当に狭くて、俺たちが並ぶと腕とか簡単にぶつかる。
だけど、この狭さは俺と先輩を近づけさせてくれるいい空間だ。
喧嘩したってこんな狭いんだから、直ぐに仲直りだ。
ただ、ちょっと問題なのはお風呂だったりする。
先輩が着替えてるのがすぐに見えてしまい、ドキドキする。そんな先輩を布団に運んでやらしい事をするのは日課だったり。
お風呂はいったばっかりなんだけど。って笑いながら言う先輩。全然説得力ない。
まあ結局、もう1回お風呂はいる事になる。

ある日、それは突然の出来事。
日曜日なので、部屋でゆっくりしている俺と先輩。
先輩はぽやあ、と天井をみつめていた。
つんつん、と先輩の頬をつつく。なあに?ふにゃりと笑う先輩がかわいい。
それからなんとなく、キスして、流れ的に先輩を布団に押し倒す訳だが、なんか反応が悪かった。
嫌がる先輩を無理やりやるわけにもいかず、ぎゅう。と抱きしめるだけ。あったかい。
今日は天気がいいね。もう春かな?
先輩の声が近くで聞こえる。なんだかお母さんみたい。いや、恋人だけど。
手を握られた。俺も握り返す。
あのね。と先輩。
先輩の胸に顔を埋めながら続きを聞く。
できちゃったの。
なにが、とは聞かなかった。
驚かないんだ。って先輩は言ってるけど充分驚いている。
先輩はゆっくり体を起こしながら、別れよう。って笑顔で言ってきた。
ああ、俺はこの人の考えている事がわかりません。
確かに俺たちはまだ高校生で、大きな収入なんてない。
でも最近やっとバイトはじめたし、2人でこのままいけるんじゃないかなって考えていた。
でも霧野先輩は別れよう。って。
いやです。と俺が口を開くと、お前は俺とでいいの?首を傾げながら言う先輩。
黙って先輩の話を聞く。
まだ狩屋は17歳だし、これからいい人みつかると思うなあ。なんて子供っぽく笑う先輩の手首をつかんだ。
俺は先輩意外を好きになるなんて絶対ないです。ありえない。
笑っていた顔が真剣になる。
若いなあ。と先輩。たった1つ違いじゃん。
ちゅっ、と先輩にキスする。
幸せにしてくれますか?
ええ、もちろんです。
ぎゅう。って手を握り、またキスをした。

俺に家族。
幸せなんてないんだって思っていたんだ。
親に捨てられ孤児院。つらかった。
裏切られるくらいなら、最初から深い絆なんてつくらなきゃいい。
だけど霧野先輩は違うんだ。大切なんだ。俺が最初で最後。愛する人。
俺と先輩。そして新しく産まれてくる命。
きっと辛いこともあると思う。けど。この人となら。
愛する先輩の手を握り。俺は目を閉じた。

(家族なんて。親なんて。そう思っていた俺がお父さんになります)

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