マサ蘭
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がっしゃあん!
そんなドデカい音がしたのはすぐ目の前。しかも音を発したのは俺の恋人の霧野先輩だった。
正しくは霧野先輩が運んでいたボールカゴ。このボールカゴは錆びていて運びづらいと噂だ。
他の部員は一旦練習をやめ、倒れた霧野先輩とボールカゴに近づく。

「霧野!大丈夫か?」

「はい、だいじょ、っ…」

三国先輩が霧野先輩に大丈夫かを聞くがどうやら無事ではないみたいだ。
俺は先輩に近寄り、しゃがむ。
右足のソックスを下げると紫色になっている。

「先輩…」

「だ、だいじょうぶだって!ただひねっただけだし!」

そう言った霧野先輩は左足で器用に立つが右足が痛むのか顔が歪んでいる。

「霧野、一応保健室に行ったほうがいいぞ?」

心配そうな目でキャプテンがそう言った。
いつも応急処置をしてくれるマネージャーは買い出しで居ない。なんて最悪なタイミングだろうか。
円堂監督も音無先生も鬼道コーチも居ないから、こうなったら保健室しかない。

「っわあ!ちょ、狩屋!」

「おもい…」

所謂、お姫様抱っこをすると霧野先輩の顔は真っ赤に染まった。
身長差が少しあるせいか、とても運びづらい、重い。
ひゅーひゅーと浜野先輩がからかっていたが無視をしよう。

「みんなの前で…」

はあ、と霧野先輩はため息をついた。
保健室の先生によると軽い捻挫らしい。安静にしていればすぐ治るみたいで安心する。
着替えるためにロッカールームに居るのだが、みんなの前でお姫様抱っこをしたから霧野先輩の機嫌は最悪とまではいかないが、あまりよくない。

「いいじゃないですか」

「よくない!」

ぷう、と頬を膨らませる霧野先輩がとても愛おしい。

「あのボールカゴ、すごく押しづらいって前霧野先輩にいいましたよね?」

「え、うん」

「俺を頼ってくださいよ」

じっと霧野先輩を見つめると先輩は恥ずかしそうに下を向いた。そして、こくりと頷く。

「次からは頼りにするから」

ふわっと微笑んだ霧野先輩。ああ、かわいいなあ。
ピンク色の髪の毛をくっと引っ張り、体を寄せる。そして軽く唇にキス。

「ん、」

「一生頼りにしてくださいよ」

真剣な顔を言ったつもりなんだけど、霧野先輩はけらけらと笑ってる。なんだよ。

「頼りにするから」

早速だけど、家まで送っていってくれない?
そう言って笑う霧野先輩に俺はまたキスをした。

(まるでプロポーズ)

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みんさまリクエストのマサ蘭で甘でした!
果たして甘くなっていますでしょうか!!
霧野先輩よりも小さいのにお姫様抱っこしちゃう狩屋くんです、これはまさに愛のパワー!!
みんさま、リクエストありがとうございました!

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