「あ」
「は?」
先輩がもっていたミケが逃げ出し、草むらにはいっていったとおもったらミケは剣城の腕のなかにいた。
しかもミケはごろごろと剣城に甘えている。
剣城もミケの頭を撫でたり喉をごろごろしている。
かわいい。剣城が。
「剣城のミケなの?」
「は、ミケ?こいつ?」
「そう三毛猫のミケだよ」
「俺のじゃない」
なんでそんなにミケは剣城に慣れているんだろう。
いいなぁ…いいなぁ…。
「…松風」
「え、なに?」
「こっちのセリフだ。なんだよ」
「うわ!ごめん!」
いつのまにか、座ってた剣城の足の上に頭を乗せていた。
ミケは隣にいる。
「ごめんっていうならどけ」
「…やだ」
「はああ?」
「俺もミケみたいに撫でてよ、剣城」
「ちっ」
舌打ちして嫌がるのに剣城は俺をなでてくれた、多分、ミケをなでた時よりも優しくなでてくれた、と、思う。
「剣城…」
「なんだよ」
「かわいい」
「ばかじゃねーの」
「ふふ、よし、帰ろう!剣城!」
ぐっと剣城の手を引いても剣城は怒らなかった。
素直じゃない剣城も素直な剣城も、大好きだ。−−−−−−−−−−−−−−