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2012/02/09 01:08


それはオレと天馬くんが一緒に帰っている時だった。
急に河川敷に走りこむ天馬くんをやれやれ、と思い小走りで追いかけた。そしたら目立つピンク色の先輩が居たわけで。しかも珍しく1人。
天馬くんがにこにこしながら先輩、いや、先輩が持っていたものに話しかけた。

「かっっっわいい!」

「だろ?さっきそこでみつけたんだ」

それは三毛猫だった。しかもめちゃくちゃ珍しいオスの三毛猫。
先輩にごろごろと甘えてる。
別にうらやましいとか思ってはいない…とかいうと嘘になる。めちゃくちゃうらやましい。
先輩に甘えたいわけじゃないけど、先輩にそうやって無条件でベタベタくっついて居られるあたりがまた腹立つというか動物の特権ていうか。
そんなことをもやもや考えていたら三毛猫がぴゅーっとなにかを追いかけて、行ってしまった。

「あああ!まってミケ!」

明らかに今つけたであろう名前を呼び、天馬くんは『ミケ』を追いかけて遠くへ消えてしまった。

「あはは、さっきまで部活やってたのに元気だな、天馬は」

「ただのバカですよ」

「でも元気なのはいいことだよな」

「…そういう先輩は元気ないですけどね」

ぴく、と先輩の肩が動いた。
なんで分かったんだ、と言わんばかりに目を見開いて先輩はオレを見た。

「なんかありました?」

「んー…」

なにか考えているみたいだった。
それは真面目なことなのか真面目なことじゃないのかよくわからない顔をしている。

「自分が嫌い」

「は?」

「はっきりしない自分が嫌いなんだ、俺」

なにいってんだこいつって思ったけれど、ぐっ、と言葉をのんだ。

「わからないんだ、自分がどうしたいか」

「わからないのはこっちも同じなんですけど」

「狩屋だったらどうする」

「なにがです?」

「幼なじみに好きな人ができました」

「キャプテン好きな人いるんですか?」

「だれも神童とは言ってないだろ!」

「あはは」

「で、その幼なじみの好きな人は俺じゃない」

「はあ」

あきらかにキャプテンのこと言ってるよ、先輩。

「でも俺はあんまり気にしないっていうかなんていうか」

「へあ」

「前だったらショックで立ち直れなかったと思う、でも神童のこと好きなんだよ…なんかそこら辺はっきりしなくてさ」

「先輩」

「ん?」

「思いっきり神童って言っちゃってるじゃないですか」

「あれ、言ってた?」

結構先輩ってバカなんだなあ…。
おぼえておこう。

「じゃあはっきりさせちゃったらどうですか?」

「どうやって」

「俺と付き合ってキャプテンとは普通に幼なじみだったんだ、って」

「なに言ってんの」

「だから俺と付き合って…」

「なんで俺が狩屋と付き合わなきゃいけないんだ!」

「そりゃあ」

「そりゃあ?」

「俺が先輩のこと好きだから、ですかね?」

「は!?」

「あれ、知りませんでした?」

「な、な、なんで知ってると思ったんだよ!逆に!」

「だって、先輩」

最近俺の方ばっかりみてるし。
だから先輩って俺のこと好きなんだって思ってた。

「よし、先輩!一緒に帰りましょう」

「な、んで」

「放課後デートです!」

「うう…俺は絶対お前なんか好きにならないからな…」

「もう好きなくせに」

「!」

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天馬くん置き去りじゃないかwwwwwwww

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