ぐだぐだ | ナノ



「今日の練習はここまで」
「みんなお疲れ様」

今日も怪我なく部活が終わり、皆がドリンクを飲んだり片付けたりする様子をベンチからじーと見る。今日、友達に言われたことを部活中考え見ているが分からない。うーんと一人頭を抱えてるとパーンと頭を叩かれる。こんなことするのは

「痛い、豪炎寺くん」
「仕事しろ、マネージャー」

振り返るとそこにいたのは豪炎寺くんと鬼道くん。ちなみに頭を叩いたのは豪炎寺くんで仕事しろと言ったのは鬼道くん。豪炎寺くんはまず手が出る(いや、足がでる)し、手は出ないけど口煩いのが鬼道くんの特徴。

「ちゃんと仕事してたもん」
「ただ座ってるだけじゃないか」
「観察というお仕事してたの、君たちとキャプテンの」
「「俺たちの?」」
「よんだかー」

キャプテンが走って来たところで、三人にことの始まりを話す。あたしは昼休み恒例のキャプテン、豪炎寺くん 、鬼道くんとのサッカーに混じらさせてもらっている。ただのマネージャーなので必殺技は出せないから、ドリブルとパスだけだけど、手加減してくれているのでけっこう楽しい。その昼休みの帰りの時だった。友達に「怖くないの?」と尋ねられた。 一体何が怖いのだろうと考えたけどよくわからなかった。

「だーかーら、観察してたの!!」
「で、わかったのか?」
「うーん、技出したりするときとかあと、よく眉間に皺寄せてるとかつり目とか?」
「なんで、疑問形なんだ」
「だって、別にあたしは怖いとこなんてないんだもん」

笑顔が素敵なところ。特にゴールが決まった時の笑顔は格別だってとこ。仲間想いでいつだって仲間の為なら危険すら省みないところ。自分には厳しいくせに他者には優しいんだってこと。

「いいやつらってみんな知らないから、ちゃんと知ってもらいたいじゃん」

うーんと頭を抱えると三人は笑って髪をぐしゃぐしゃするように撫でてくる。

「ちょっ、やめてよー」
「お前がそう思ってくれてるだけで、俺らは十分だぜ!!」
「分かってくれているやつがいるんだ。怖いと思うやつはそう思わせとけばいいじゃないか」
「確かに。お前がそこまで頭を抱える必要はないんだ」
「この話は終わり!!片付けたらどっか遊びに行こうぜ!!」

と、キャプテンと豪炎寺君、鬼道君は笑いこの話は終わりだと片付けに行こうとする。でも、それじゃなんか悔しいんだよ。「・・・納得出来ない」と呟けば、キャプテンが「どうかしたか?」と振り返り二人も足をとめる。

「それじゃなんか納得出来ないから、今からプリクラ撮りに行こう!」
「「「・・・はぁ?」」」

と、三人声を合わせ顔をしかめる。「何故そうなる?」と顔に出ている。

「いや、まずは第一印象から変えていこうと思って。写メでもいいけど見せるの面倒だし、プリクラだったら貼っとけばみんな見るでしょ」

「いいアイディアでしょ」と、問いかければ、キャプテンは「なんか楽しそうだな」と頷いてくれたが、二人はしかめ面のままだ。その顔を見てみんなこんな顔すること知らないんだよなぁと思うと、ちょっと優越感がある。

「何にやけてる」
「にやけてないもん!!それより早く片付けて遊ぶついでに撮りに行こうよ」
「誰も撮りに行くとは、」
「お前ら早く着替えて撮りに行こうぜ」

「はぁ」と豪炎寺君と鬼道君がため息をつくのがおかしくて、笑えば二人して頬を引っ張ろうとする。その手掴み先に歩いていくキャプテンの元に向かう。恥ずかしがっているだけで二人だって実はうずうずしているんだ。

「早く来いって!!」

あたしの放課後はいつだって、三人が一緒じゃなきゃ始まらない。




023 放課後
-->きずなさま




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