06
「草薙さん、こんにちは。それと、藤木くんもこんにちは。」
「ああ。」
生徒手帳をみょうじに返却してから早数日
流石に毎日ではないものの今まで出会わなかったのが不思議な位、頻繁にみょうじと草薙さんの店で会うようになった
無論俺と草薙さんがしている事を考えればあまり他人と接触するべきではないと理解していたが、みょうじの姿を見るとどうにも避ける気にはならなかった
「そういえば、藤木くんのクラスは何処までプログラムの授業をやりましたか?私のクラスはif文を使った条件分岐を……」
両手でホットドッグを持ちながら尋ねてくるみょうじを見つつ、今の会話の中で何かしらの違和感を覚える
「……藤木くん、どうかしましたか?」
食する手を止めている俺を不思議がったのか、此方を振り返るみょうじ
ああ、同学年相手なのに敬語を使っている事が気になったんだ
「敬語はいらない。」
「はい?」
「互いに同じ学年なんだ、敬語である必要はないだろ。…呼び方も名前でいい。」
名称まで改めさせるのは余計だっただろうか
そんな事を考えながらみょうじの方へ向き直ると彼女は一瞬驚いた様子を見せたものの、すぐに柔らかな笑顔を浮かべ
「じゃあ、今度から遊作くんって呼ぶね。遊作くんも私の事、なまえって呼んでくれたら嬉しいな。」
二言、そう告げてみょうじ……いや、なまえはまた笑った
僅かながら縮まっていく距離感
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Den Cityってコンピューター関係強そうですよね。