05
草薙さんとみょうじの関係性は多少気になるものの、初対面で尚且つ、ただ落とし物を拾っただけの人間が尋ねる訳にもいかない
他愛ない言葉を数回交わし、塾の時間だからと店を後にするみょうじの背を見送った後俺は草薙さんの方を振り返る
「草薙さんはみょうじと知り合いなのか?」
「ん?まあなまえと知り合いというか、あねのなまえと知り合いだったんだ。プロデュエリストのみょうじあねのなまえ、お前も知ってるだろ。」
頷く俺の様子を見た草薙さんはスクリーンに一つの画像を映し出す
そこには草薙さんと一人の女性の姿が写っている
みょうじと同じ艶のある長い黒髪に深い紺碧の瞳、そしてみょうじよりも少し大人びた風貌
間違いなくプロデュエリストのみょうじあねのなまえだった
「アイツ…あねのなまえはプロデュエリストとして名を馳せる反面、知る人ぞ知る天才プログラマーとしても有名だったんだ。友人の伝で知り合った時になまえとも一緒に知り合った感じだな。なまえも自分に兄貴が出来たみたいに無邪気に喜んでたよ。」
「そうだったのか。」
少し懐かしそうに目を細めて語る草薙さんの姿
理由はわからない
だが、それを見た俺は不思議と小さく安堵の息を漏らしていた
一歩ずつ歩き出す無自覚な感情
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唐突ですがデコード・トーカーのデザインはかなり好みです。